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【優吾】
Aが目を覚まして、数週間。
俺たちの仕事の流れが急な大人たちの指示で大きく変わろうと、目を覚ましたといえ、まだAの体は退院までは漕ぎ着けない状態が続いていようと。
それでも、時はいつも通り勝手に流れていく。
俺たちは大学2年生になっていた。
Aも、どうやら大学側から何かしらの特別措置があったみたいで、ひとまず2年生にはなれたらしい。
桃「�眞蓮△修蛙兇螳磴辰討襦�
黄「え、あ…うん…」
桃「…集中しなよ」
黄「…ごめん」
桃「はぁ…」
GWの、クリエ公演。
本当だったら、あの時と同じ6人で出る予定だった公演。
明らかに俺たちは、選ばれた側じゃなく…取り残されて、置いて行かれた。
4人で作ったグループチャットには、半ばふざけて…“あまりもの”なんて名前をつけた。
それでも、公演がなくなったわけじゃない。
ただ、メンバーが変わっただけ。
ただ、公演数が変わっただけ。
黄「よかったよ、北斗が選ばれた側で」
「…なんのこと？」
黄「あぁ、ごめん。仕事の話」
「ふふっ。分かんないよ、急に言われても」
黄「ひとりごとが、漏れただけ」
「珍しいね、優ちゃん」
なんだかんだ、少し日の空いたAのお見舞い。
それなりに連絡は取り合ってたし、お互いの状況を把握してないわけではないけど。
黄「あ…どうなった？」
「ん？あぁ、GWかぁ〜…」
黄「だめ…っぽいな」
「なかなか簡単にはいきませんね。…まず、ライブより普通にお家に帰ることを目指してくださいだってさ。そのくらいの楽しみ、見させてくれたっていいじゃんね？」
黄「ハハッ！そう思ってくれるのは嬉しいけど、さすがにそれは先生が正しいわ」
さすがにそう何度も何度も、たかが幼馴染をまださほど規模の大きくないコンサートに呼んでやることはできやしない。
うちの母親が、いつだってAを同行の一番に考えてるのは知ってる。
Aが、俺のステージを見たがってくれているのも。
まぁ、現実的にはなかなか難しいけど。
「たまにさ…治るのかなぁって、思うんだよね。何回も、再発してるし。でも…なんかさ、優ちゃんたち見ると…絶対治してやるー！って思える」
アイドルって、すごいね！なんて笑うAを見て、なんだかすごく、不思議な気持ちだった。
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年6月12日 19時
