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【慎太郎】
“ごめん、慎太郎。…ついてきてくんない？”
めちゃくちゃ苦しそうに笑って、俺にそうお願いをしてきた�眞蓮�
“俺…Aに、会いたい”
そんな苦しそうな笑顔で、そんなこと言われちゃったら、�眞呂�その後に、怖いだの不安だの迷ってるだのと続けた小さな呟きは耳に入らなかった。
俺のただの直感しかないけど、ここで�眞呂亮蠅魄�かなかったら、一生後悔をするって思った。
でも…。
緑「A…ちゃん…っ？」
しばらくぶりに顔を合わせたAちゃんは、別人のようだった。
消えてしまいそう、だとか…儚いとか、そんな程度で済むような話じゃなかった。
なんていうか…言葉に出したくないけど、本当に、今にでも死んでしまいそうな、テレビで見るような…演じるような、そんな姿で、戸惑いを隠せなかった。
ただ、そんな戸惑いを隠しきれない俺にも、出会った時と同じように“お姉さん”の顔で笑いかけてくれるAちゃんが、あまりに苦しかった。
それと同時に…�眞呂�、あんなにも躊躇っていた理由が分かって、手を引いてしまったことを、ほんの少しだけ後悔した。
「慎ちゃん…ゆ、ちゃん…」
黄「…ふふっ。ごめん…遅く、なって…」
「へへっ…。Aも…ごめん、起きるの…おそかった」
黄「ホントだよ」
「えぇ〜…」
黄「ハハッ…嘘。でも…俺、あの日…会いに来たんだよ、Aに…」
見惚れてしまった。
2人の、話す姿に。
こんなにも、苦しそうなのに…それでも、ものすごく穏やかな、2人だけの空間があまりに綺麗で…見惚れて、動けなくなってしまいそうだった。
なんとか、2人の空間にしてあげたくて動き出そうとした俺を止めたのは、Aちゃん。
「いてよ、慎ちゃん…」
クスッと笑ってそう言ったAちゃん。
苦しそうに、痩せこけてしまったけど…強かった。
消えそうだなんて、ほんの少しでもそんなこと思ってしまった自分が、申し訳なくなるくらいに。
緑「元気に、なる…？」
「へっ？…ははっ！ん、なる…絶対」
緑「約束、して？…っ」
黄「…だめ、俺と約束させるの」
あまりにごもっともで、ちょっとだけ笑えた。
�眞呂�口にした約束に、Aちゃんは、笑った。
笑って、震える声で言葉を紡いで…そしてまた、優しく笑ったんだ。
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年6月12日 19時
