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【風磨】
詳しく聞くことは、できなかった。
聞くのが、怖かった。
仮にも、静かに身を引き諦めたといえ、それなりに想いを寄せた想い人。
�眞呂�感じてる不安と比べれば、俺なんて足元にもなんだろうけど、俺だって、笑ってるその下では怖くてたまらなかった。
“…どうしよ、あいつ…死んだら”
�眞呂里修鵑文斥佞法▲哨辰箸靴拭�
ゾッとして、でもなんか…すげぇ、ムカついた。
Aちゃんが必死にがんばってんのに、前向いて生きようとしてんのに…お前、それ信じねぇのかよ…って思っちゃって。
たかだか数ヶ月前、Aちゃんに抱いたムカつきと、全く同じやつ。
お互いを、誰より信じてきたはずなのに、肝心なところで信じること諦めちゃうんだもん。
もったいないよ、って。
挙げ句、さっき樹から聞いた、6人で出る予定だったコンサートを半数以上が外されたって、誰だって悔しさを覚えるであろうそれすらも、“外されて当然”なんてぬかす�眞呂法▲泪犬妊爛�ついた。
お前、必死じゃねぇのかよって。
ぶっ飛んだ考えかも知んないけど、こいつ…俺らが離れ離れになったあの時から、なんも変わってねえじゃん…ってさ。
菊池「…なら、死ぬ気で巻き返せよ」
黄「えっ…」
菊池「巻き返せよ。お前、Aちゃんに見せんだろ？ちゃんと、アイドルして…いっぱいのお客さんの前に立つ自分、見せんだろ？…約束、してたじゃん」
気づけば、そんなこと熱く口走ってた。
まだ、法律に許されていない俺たちだ。
酒が入っているわけでもなく、全然シラフでいつも通りの俺たち。
それでも、ここまで熱くなっちゃうぐらい…俺にとってもそれなりに大切な人だったんだと思う。
菊池「お前が先に、諦めんなよ…。Aちゃん、必死にがんばってんだろ？お前、言ったじゃん、�眞蓮�
黄「え…？」
菊池「“誰かのために頑張る方が…向いてる”って、お前が言ったんじゃん。埋もれたくねぇって、頑張んだって、お前が言ったんだよ」
黄「っ…」
菊池「見せろよ、ちゃんと。頑張れよ。お前…ここで諦めたら、恥ずかしいぞ…Aちゃんに、笑われんぞ」
�眞呂蓮�悔しそうに唇を噛んで笑った。
笑って、一筋だけ…めっちゃ綺麗に涙流して…“やめらんねぇわ”って、笑った。
諦めたくないって、笑っていた。
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年6月12日 19時
