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【優吾】
一人暮らしの部屋は、この大きな感情受け止めんのには、あまりに広すぎて。
たぶん…その虚しさ一択で、呼び出しただろう風磨。
菊池「…便利屋じゃねえんだけど？」
黄「ごめん…」
菊池「…飲む？」
黄「…今は、ちょっと」
なんだよ、せっかく買ってきたのに！なんて、おどける風磨の手には、汗かいたレジ袋。
中身が大量の炭酸飲料ってとこに、まだまだ自分達が、大人の世界からは一線を引かれていることを痛感する。
つか…炭酸、飲めねえくせに。
黄「ごめん…一人でいんの、しんどい…」
菊池「…樹から全くおんなじ文言で呼び出されたけど…�眞呂蓮弔舛腓辰醗磴Δ辰櫃い福�
黄「…ダブルパンチ…だわ」
菊池「…ん」
怖くて、肝心の事実が言えない俺の話を、それなりに汲み取って、言わなくていいけど、なんて言ってくれる風磨。
話していいのか、分かんなかったけど…1人で抱えることもできなくて。
ごめんね、A…なんて思いながら、ポツリ、ポツリ。
やっぱり、話してしまったら、今日のあの光景が現実だったってことが、ものすごく自分の中に入ってきて…なんだか急に怖くて…。
震える手を、抑えることすら忘れていた。
目の覚める気配のなかったAの姿に、儚く消えてしまいそうだったその姿に、逃げ出したくなった、あの時の自分。
黄「…どうしよ、あいつ…死んだら」
菊池「…っ」
思わず、口にしてしまった。
風磨は、そんな縁起でもないこと言うなってキレるかと思ったけど…ただ、呆然としていた。
なにも、言わなかった。
だから余計に…しんどかった。
黄「…こんなだから、外されんだよな」
菊池「は？」
黄「クリエ。外されたのに…全然、関係ねえところでバランス崩してさ。バラされたことなんて…どうでも良くなって。…そんなやつ、外されて当然」
菊池「…なら、死ぬ気で巻き返せよ」
黄「えっ…」
菊池「巻き返せよ。お前、Aちゃんに見せんだろ？ちゃんと、アイドルして…いっぱいのお客さんの前に立つ自分、見せんだろ？…約束、してたじゃん」
お前が先に諦めんなよ、って…風磨は、怒ってんのか、なんなのかよく分かんなかった。
よく分かんなかったけど…そういや、中学生だったAは…“死ぬのはもっと嫌だ”って、泣いたっけ。
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年6月12日 19時
