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【優吾】
あれもこれもと次々に色んなもんが降ってきて、どっちにしたってAのところへは行けなかったんだけど、忙しくて、顔見にすら行けてなかった。
それでも、意識して連絡取るようにしてたのは、後悔しかない数ヶ月前までのことがあったから。
どんな関係でもいい。
もういっそ、開き直って幼馴染として俺は接しつづけるんだって思って。
“コンサート、来ない？東京ドーム”
“行けるわけないでしょ。入院中だっつーの”
“冗談でーす”
“テレビで応援するよ”
“テレビあんま出てないんだっつーの”
ポコポコと、テンポのいいやり取り。
数ヶ月前より、随分と前向きな関係に戻れた…気がする。
青「お前さ、携帯見てニヤニヤすんなよ」
黄「してねーわ」
青「…お前がその顔すんの、絶対Aちゃんだからなんか複雑」
黄「なんでだよ」
青「ほんとさぁ〜…。Aちゃんが�眞呂陵弔覆犬澆犬磴覆�ったらなぁ」
黄「だからお前には会わせたくねぇって言っただろ」
やっぱ言ってたんじゃん、って笑う樹。
まぁ、大学入って…それこそフラフラしてた頃に身につけたあいつの仮面は完全に樹のタイプど真ん中。
初対面があの日じゃなかったら、マジで狙われてたんじゃないかと思うくらい、俺から見ても、垢抜けたAは樹のタイプだ。
なによりアイツ、いらないほどに人情に厚いし。
青「んで？Aちゃん？」
黄「んー？まぁ、そうね。ドーム来るー？って。ま、来れないことわかってんだけど」
青「分かっててそんなこと言うの、お前鬼畜だな」
黄「ふふっ。いいんだよ、そういう関係なの。…テレビ、出てえなぁ〜…そしたら、もっと…Aに見せてやらんのに」
青「…んだな」
樹は、俺を笑ったりしなかった。
テレビに出たいだなんて、そんな…どこかチープな夢のようなそんな言葉を、樹は笑わず、受け止めてくれた。
同志だから。
青「なんかさ。�眞呂辰董△茲�わかんないけど…すげぇよなぁ」
黄「…俺が？」
青「なんとなーく…目的地もなくさ。よく、生き残ってるなって思う」
黄「ん？俺、今バカにされてる？」
青「さぁ？どうでしょう？」
黄「なんだよ、それ」
2つ下の、よくわかんねぇチビ。
黄「ま…。最初に色々お前が叩き込んでくれたのが、良かったんじゃね？」
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年6月12日 19時
