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【樹】
ハッと目が覚めた。
え、いま何時…？
仕事は…？
え、暗い…。
深澤「お。目ぇ覚めたー？…いーや。もう今日は帰れ、お前」
青「…えっ」
阿部「何がなんだか分かってなさそうだね〜」
困ったように眉を下げる2人の先輩。
ボヤけた頭で必死に心当たりを探せば、多分この部屋は、会社の休憩室なんだと思う。
時間は…分からないけど、師匠が先輩命令だと俺を寝かせてからは、それなりの時間が経ってるんだと思う。
深澤「お前、もう半休。社長もそうしろって言ってるし、来月で有給消えちゃうし、いいよな？」
阿部「ごめんね、勝手に。まぁ、惜しいってなら…ここまで休んでた時間は、社長命令でもあるから、目瞑るし」
青「…今、何時」
深澤「…もう直ぐ昼休憩明け。…なぁ、樹？お前、いま限界…いや…超えてんのよ、限界。だから、ちゃんと休め」
半休…社長…昼休憩…限界…。
よくわかんない言葉が、頭でぐるぐる回る。
いや、よくわかんないわけもなくて、ちゃんと一つ一つは理解できる言葉のはずなんだけど…なんだか、よく分かんなくて。
ギュッと誰かに握られたみたく狭まる喉元。
この感覚が何かなんて、わかってる。
深澤「…樹、薬は？」
青「っ、ﾊｧ…ちょ、いま…ﾊｧ…いま、っ…」
深澤「ん、今ちょっとしんどいのな？先に、薬預からせてくんない？」
今動いたら、確実に倒れる。
だから、ちょっとだけ吸入すんのも待ちたくて。
大昔に一回、そんなことあった。
吸入できるのを自分で見計らってる間に本格的に発作が起きて、吸入器の在処さえ伝えられないままに、あわや救急車…なんてなったあの時のことを、師匠は覚えてんだと思う。
青「…っ、ﾊｧ…さ、ぎょ…ぎ…っ、ｹﾎｹﾎｯ…内ポケ…っ」
深澤「ん、内ポケットな。サンキュ」
青「ｹﾎｹﾎｯ…ｹﾞﾎｯ」
深澤「おぉ、っ…と。樹？大丈夫？」
青「ん…っ、体…っ」
重たい咳が、体に響く。
それがすごく気持ち悪くて。
横んなったら苦しいかもってのは分かってるけど、なんか咳に耐えるのに体が重たくて、支えを失いそうなのが、怖かった。
深澤「それ、苦しくない？俺の方、もたれときな」
青「っ」
深澤「遠慮すんな、こんなの翔太で慣れてるから」
ニッと笑う師匠が、なんだかすごく大きく見えた。
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
