. ページ42
【阿部】
こんな時期に…と言ったって、罹ってしまうものは仕方ないわけで。
そりゃぁウイルスだって、突然どこかから湧いてくるわけではないんだろうから、夏だって…なんて、細かいことを小難しく考えるのはやめにしよう。
一日でどうにかなるはずもない、ふっかが引き受けたばかりの大型案件を思えば、切り替えて、明日またオンモードであの山の格闘するのが吉なのだから。
俺らがあの山どうにもできずに苦しい思いするのは、山をあのままにダウンするしかなかった、ふっかだから。
ただでさえ苦しい思いしてるのに、余計そんな思いさせたくないじゃない。
青「お〜…あべべ、お疲れ」
阿部「ん、お風呂お先…って。樹、もしかして今まで仕事してたの？」
青「ん？んー…まぁいつも助けてもらってばっかだし。なんとなく、ソワソワしちゃって。キリいいとこまで、って思ったら、タイミング逃した」
阿部「もぉ〜…。ちゃんと、休む。樹まで倒れたら、それこそ回んなくなるよ。北斗やジェシーいるとはいえ、またいつかみたいに、臨時休業することになるよ？」
そう言って、何年も前のことを持ち出せば、“んなことなんねぇよ”ってニヤリと笑った樹。
そのうち作業が真っ黒にした優吾もフラッと帰ってきて、なに、お前らも残業？なんて。
ことのあらまし説明すれば、それなら連絡くれたら早く帰ってきたのに、なんて言われて、ようやく俺たちも目の前の仕事やふっかのことに必死で、全然頭回ってなかったことを実感した。
黄「んじゃ、とにかくお前風呂入れ。あと、明日からの家のこと気にしなくていいし。2人は仕事に集中しな？」
阿部「いや、悪いって」
青「そうだよ、悪いって…」
黄「そうやって、無駄な正義感でお前がぶっ倒れる方が、よっぽど悪いってこと…そろそろ気づけ、バカ」
バチンと一発、そこそこな強さのやつを樹のデコにお見舞いした優吾は、ヒャハヒャハ笑ってるけど、“半分はマジだからな？”なんて低い声出すんだもん。
優吾のそんな声を聞いてしまったら、さっき樹がポロっとこぼした“ソワソワしちゃって”って言葉が、なんだか胸に引っ掛かる。
青「あべべ〜、これお願い」
でも、そんな違和感…なにも起きないから、たった数日ですっかり頭から抜けてたんだ。
忙しさに、かまけて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 541人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
