何度目の正直だよ。 ページ41
【樹】
目の前に積み上がった山を、ひと山。
同じように、北斗がひと山。
それを見た阿部ちゃんが、もうひと山。
積み上がった資料や図面やら諸々の元の持ち主は、たぶん今頃母屋で苦しく横になっていることだろう。
「パパー？ふっかやっぱり微妙かも。まだ全然熱下がってなさそうだった」
青「あー、まじぃ？まぁ、そうなるよなぁ…」
阿部「インフルだっけ？」
青「そう、あのー…Aだっけ？熱めっちゃ出る方」
黒「A、深澤くんとこ行くのはいいけど、万全の体制でいってよ？」
「分かってるってぇ…」
帰ってきた時には“こんな季節にインフルかよ”って…なんかどっかで聞いたことある映画のタイトルみたいに空元気丸出しで笑っていたのも束の間。
どうやらもう随分ぐったりな様子の師匠は、完全ダウン。
ただ、こんな時に限って一番大きな案件を抱えているのは師匠だったから、その師匠が最低でも1週間は働かないだなんて事態になった今、事務所はてんやわんやの大騒ぎ。
とにかく手分けしてるのも面倒で、とにかく師匠の仕事の山からみんな手当たり次第に引っこ抜いては終わらせてって状態。
“まじごめん”
そんなメッセージがチラッと見えたけど…そこに、“気にしないで”なんて返す余裕すらないのは、この仕事量のせいじゃないことくらい。
「…Aもできるやつやる。どれならできる？」
青「あー…っと、ね…」
黒「いいよ、俺見る。父さんそっちお願い」
青「おぉ、さんきゅ」
黒「ついでに、分けよっか。さすがにこの量手当たり次第は、無理な気がしてきた」
「なら、A分けるよ！」
まさかAまで総出で仕事進めてるだなんて、師匠も思いはしないだろう。
せめてもの救いは、“この量まじやばいね”とか、“ふっか本当に計画的に進めてた？”なんて言いながら、若手の3人がこんな状況でも、カタカタと楽しそうに笑って仕事を引き受けてくれてること。
俺と阿部ちゃん2人だけだったらと思うと…ゾッとする。
阿部「…樹ー？ちょっと休憩したら？あと、樹だけだよ。小休憩挟んでないの。あの子たちも休憩したんだし…」
青「ん…ありがと。キリ、つけてから行くわ」
阿部「…なら、いいけど」
じとっとこちらに向いた目が、ひとつじゃないってことには…気づけなかった。
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
