味方の見方。 ページ26
【樹】
青「ちっちぇ〜のな、ほんとに」
ち「ねぇ、ほんとお願いだから優しくよ？優しく！」
青「うるせぇなぁ〜。めーっちゃ優しいから！なぁ、北斗ぉ〜？」
黒「キャッ！」
青「ほら、笑ってんじゃん！うはぁ、かぁいぃなぁ、お前はぁ〜」
田中樹、19歳。
これでも一家の大黒柱。
父親、始めました。
なーんてね。
ガキん時から大好きで大好きで仕方のなかった幼馴染のちぃと、そのちぃと俺との血を分けた息子の北斗。
可愛くないはずがなくて、愛情なんてカンストレベルで、世の中にこんなにも愛おしいものがふたつとあっていいものか、なんて…大袈裟すぎるかな。
ち「樹くん？…時間、見てる？」
青「んー？…うわっ！やべっ！」
ち「また阿部さん怒るよー？」
青「あべべ今日出張！でも師匠に叱られる！あーっと！ねぇ、帰り買ってくるもんとかある？あったらさ…」
ち「あーもー！わかった！メールしとくから。ほんとに遅刻するよ！」
“あぁうぅ〜…”なんて、ポロッとこぼれた言葉だとしたって、なんか俺を求めて寂しいよ〜って言ってくれてるように感じてさ。
あぁ、これが親バカってやつかなぁなんて、数ヶ月前には思いもしなかったことよ。
そりゃ、子どもができたってわかった時点から、すっげえ嬉しかったし、お腹ん中にいる頃から愛してたし、可愛がってたけど…。
やっぱ、生まれて対面したら、レベチレベチ。
阿部「遅い」
青「んえっ！？あべべ出張…」
阿部「それ、来週。浮かれすぎ、フワフワしすぎ。大黒柱がフワッフワで危なっかしい。ちゃんと切り替えて集中しなさい」
青「さぁせん」
高卒で入社して、数ヶ月。
あべべ、こと阿部さんは俺の教育係。
“うちの会社で教育係なんて、お前が初めてだわ”って、地元で馴染みの先輩のひとりである師匠、深澤くんは笑っていたけど。
俺ってそんなに前評判悪いの？なんて思って周りのおっちゃんたちに聞いてみても、まぁな〜なんて笑って誤魔化すばかりだった、教育係の真相。
学歴なんて関係なく、俺だけは…って、社長がそういって俺のことを育て上げにかかってたって、そんなの知るのは遥か遠い未来のこと。
深澤「さ、稼げよ〜！父ちゃーん！」
青「任せてくださいよーっ！」
毎日が、苦しいほどに、怖くなるほどに幸せだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 541人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
