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【北斗】
“言えるようになったわけじゃない？”
そんな佐久間くんの言葉に、俺の頭に浮かんだのはいつかのノート。
佐久間くんと、たぶん…当時まだ小児科の看護師していた京本くんとで作ってくれたんだと思う。
昔から、心にある何かを口にするのは苦手だった。
そのくせ、頭には嫌ってほどに浮かぶ言葉や、叶えたいことや、他にもたくさん。
佐久間「北斗はさ…。昔っから、本当に…我慢強くて。痛みにも、苦しみにも、怖さにも…なんにだって、へっちゃらだーって」
黒「ん…」
佐久間「ふふっ。耐えれる、そんな子じゃなかった。A生まれるまでなんて、ちょっとぶつけただけで“さっくん、痛いよ〜”って泣くし、夜一人で寝るのも、“さっくん帰っちゃうの？”って…」
黒「え…」
佐久間「覚えてないのー？」
覚えて、なかった。
…ハッキリとは。
でも多分…Aが生まれるまでは、佐久間くんの言う通りだったんだと思う。
だって、5年も一人っ子だったんだから。
若くして親になって、周り以上に必死に…それに、どこかでタイムリミットを胸に、惜しむように子育てをする両親の愛情を、独り占めしていたのだから。
黒「佐久間くん…」
佐久間「んー？」
黒「…大丈夫だよって、言って…ほしい」
佐久間「っ…！」
黒「…お願い」
俺のお願いに佐久間くんは驚いた顔してたけど、それと同時に、ものすごく優しい顔をして…安心したように息を吐いて、俺の頭を撫でた。
いつの間に、俺よりおっきくなっちゃうんだもん…なんて困ったように笑う佐久間くんの手は、すごく温かかった。
佐久間「だーいじょうぶ。…大丈夫だよ、北斗も…Aも。みんな、大丈夫」
黒「ん…。ありがと」
佐久間「なんで北斗が…Aが…大丈夫か、わかる？」
黒「えっ…」
“2人には、味方が…支えてくれる人が、たくさんいるからね”
ニッと笑った佐久間くんは、俺も味方だからねって言いながら、背中を撫でてくれていた。
そのままギュッと俺を包み込んで、“ほんと、大きくなっちゃったね〜”って、また笑った。
佐久間「さっ。…そろそろ眠れそう？」
黒「ん…っ」
佐久間「体、ポカポカしてる。帰ろ？」
“さっくん、ほっくんが寝るまで部屋いるからさ”
って…2人の時以外は、言わないでよね。
-Fin-
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
