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【北斗】
話してくれなくても、いいと思った。
それは、俺が強要することではなくて、ジェシーの選ぶことだってのは、俺だってよく分かっていたから。
黒「…聞かせてくれたら、嬉しい」
俺のその言葉にジェシーは少し考えて、一度は“ごめん”と答えることを拒んだ。
それならそれでいいって思ったけど、ジェシーはどこかで意を決したように、ちょっと話せる？って。
そしたらその勇気、買わないわけにいかないじゃない。
赤「ごめん、今日…北ちゃん、心配してくれたのに」
黒「いや、別に…俺も、しつこかったとは思うし。けど…手のことは、ちょっと心配」
赤「そのことなんだけど…。俺、“このくらい、俺なら”って思っちゃうんだよね」
黒「それって…どういう、こと？」
赤「…この傷さ、Aや、北ちゃんにできてたら…俺、真っ先に病院へ行こうって言うんだけどと思う。それは、2人の“命”にとって、傷が、感染が、どれだけ大変なことかわかってるから」
黒「でもそれは…っ」
赤「俺も、同じって？…違うんだよ。そうは、思えないんだよね、俺」
ジェシーは、笑えていなかった。
必死に、下手くそな笑顔を貼り付けようとしているのに、ジェシーにしては珍しく、これっぽっちも笑えていなかった。
赤「命に関わるかどうか」
黒「えっ…」
赤「たぶん、それが俺の判断基準なんだと思う。だから、2人のことを思うと、すぐにでも…って思えるけど、自分のことだと…疎くなっちゃうんだよね」
施設にいた頃は、下を見てないと、自分はまだマシだと思ってないと、心が壊れそうだったこと。
このくらい、自分程度では…って、そうしないと、本当に危ない子が何人もいて、知らず知らずのうちに、自分を後回しにする癖がついていたこと。
ジェシーは、ちゃんと自分を理解していた。
赤「施設には、色んな子がいたんだ。何年経っても、諦めがつかない子もいる。傷つけられて、どうしようもないくらい、心の壊れちゃった子も。病気で、子育てを放棄された子だっていた」
黒「っ…」
赤「喧嘩に明け暮れて、毎日のように職員さんに探されてるお兄さんや、愛を知らずに、自分を傷つけてるお姉さんも…俺より苦しい子なんて、いくらでもいた」
ジェシーが淡々と話すその世界は、俺の、知らない世界だった。
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
