. ページ18
【ジェシー】
赤「あらら？A、出てるの？」
黒「ん？あぁ、さっき急に低血糖なっちゃってさ。久々だったし、ちょっと酷そうだったから、念のため父さんついてる」
赤「あーらら…大丈夫かなぁ？」
黒「ま、念のためだしね。こんな言い方あれだけど…慣れてはいるし、ダメなら病院行くんだし」
俺がまだここにきたばかりの頃は、それこそAもまだ体調が不安定だったり、心が不安定なこともあったし、大きな病気とも闘った。
あの頃は、本当にAがいつ自分の前からいなくなってしまうかって、そんなことが怖くてしかたなかった。
“ダメなら病院行くんだし”
北斗のその言葉に、そりゃそうだよなって思えるのは、そんなAを何度も救ってくれて、俺たちの元へ帰してくれた先生たちのことも、同じようにずっと見てきたから。
病院へ行く。
それが当たり前に出てくるのは、Aや北ちゃんが、病気を抱えているから。
…人と、違うから。
時折、そんな考えが頭に浮かんでしまう自分が、ちょっとだけ嫌い。
2人にとって、病院は命綱みたいなもんだって…最後の頼みの綱だって、そんな認識してるから。
黒「じぇーす〜…。ねぇ、この傷、ちゃんとケアしなって言ったよね？」
赤「んぇー？」
黒「これ、ちょっとヤバくない？…ほっといても治んないよ？Aもこのまま病院行くかもだし、ジェシーも一緒に行ってきたら？」
赤「えー、大丈夫だって。ちゃんとケアするし」
黒「でも…」
赤「も〜…大丈夫。しつこいよ、北ちゃん？」
黒「っ…！しつこい…って…」
それだけ言うと、北ちゃんは黙ってしまって。
俺も、まさか自分がそんなこと言っちゃうなんて思わなくて、なんでフォローすればいいのかも分かんない。
けど、どこか…これが、本心だったなって思っちゃう自分もいた。
“俺…ほんとは、そんなやつだよ”
なんとか絞り出した言葉は、そんな情けないような、諦めたような…それでいて、北ちゃんのことを遠ざけてしまうような言葉。
北ちゃんが、遠ざかってしまう…そんな気がした。
それなら勝手にしろって、好きにしたらいいって、もう知らないって、そんなこと言われたって仕方ないと思った。
でも…北ちゃんは、やっぱり北ちゃんだった。
黒「…聞かせてくれたら、嬉しい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 541人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
