空っぽ。 ページ16
【北斗】
「ふふっ…クラゲ〜」
黒「しばらくここいる？」
「ん〜、いる〜…」
じゃぁ、にぃにはジェスと向こういるね、なんて声かけても、目を離すことはできなくて。
少し離れた目の届くところで腰を下ろし、ジェシーが買ってきてくれた缶コーヒーを飲み干すのが早いか、Aがあそこから離れるのが早いか。
答えは分かりきってる。
黒「クラゲんとこ来ると、いーっつもこんな感じ。しばらくA、あのままよ」
赤「へぇ〜、そうなの？」
黒「うん。なんかねぇ…昔っからなんだよね」
ジェシーにそんなこと話しながら、思い浮かぶのはAのいつだったかのお願い。
“今度Aが疲れちゃったら…にぃに、ジェスに伝えてくれる…？”
疲れちゃうのは、体じゃない。
繊細で、ちょっぴり弱りやすいAの心は、たぶん今、キャパシティの限界ギリギリいっぱいのところでなんとかパンクしないように踏ん張ってる最中。
それでも踏ん張れている今この時が、タイミングなのか否か…俺には、うまく判断ができなかった。
今話しているこのタイミングが、正解なのかは…きっと、答えのない問いなんだと思う。
黒「ジェシーも気づいてると思うけど…A、昔からちょっと心が苦しくなりやすくてさ。んー…気にしぃというか」
赤「うん…」
黒「考えなくていいことまで考えて、ワーって追い詰められちゃうんだよね。…病気のこともそう。こうなったらどうしよう、ああなったらどうしようって。それで、こう…何だろ。頭と…心がパンクしちゃう」
水中を漂うクラゲを指で追い、愛おしそうに見つめるAの心は、見つめる先のそいつらと同じように、ふわふわと頼りなく…儚かった。
一度だけ…Aの心が本当に壊れる寸前までになってしまったあの時を思い出すと…怖くて、怖くてたまらない。
黒「クラゲはさ、脳がないんだ。だから…楽になりたかったんじゃないかな。こんなに、パンクするほど、何かを考えたくなかったんだと思う」
赤「…そうだったんだね」
黒「なぁジェシー…もし今度、Aがパンクしそうになったら…」
“一緒にA、救ってくれる…？”
ジェシーはなにも答えなかったけど、優しく俺の背中をさする手が…どうしたって重たかったそれを、そっと受け止めてくれた気がした。
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かん。(プロフ) - そらんさん» リクエストいただきありがとうございました☺︎短編��にてお話アップさせていただきました！大変、お待たせいたしました。これからも、作品共々よろしくお願いいたします！ (7月30日 22時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - さくらさん» リクエストいただきありがとうございました！続編にて、お話書かせていただきました☺︎おまたせしてしまい、すみません。。また、他のお話もお楽しみいただけたら嬉しいです！これからも、よろしくお願いします❤︎ (7月3日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ピンクBlackさん» リクエストいただきありがとうございます！お時間いただいてしまいすみません。。続編にて、お話完結となります☺︎お楽しみいただけていたら嬉しいです！ (6月11日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
そらん - いつも楽しく読ませていただいてます！かんさんの小説が大好きです！リクよろしいですか？のせいでもないし、誰にもどうしようもの続きで、ルンバ−ルで痛くて過呼吸起こしてしまうのをもし書けたらでいいのでお願いします！ (2023年5月12日 2時) (レス) id: 586b465d2d (このIDを非表示/違反報告)
さくら - リクエストさせていただきたいです!!本編の220話でほっくんがdtskと詰所に行ったかと思いますが、その詰所でどんなこと話したのかとかどんな時間過ごしたのかのお話お願いします。昔の甘えん坊になってる感じなのかなっておもいます。特にskには甘えてそう (2023年4月18日 22時) (レス) id: 3f90d4971e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年1月5日 21時
