. ページ12
【渡辺】
渡辺「A、まだ気持ち悪いー？」
「っ、ﾊｧｯ…ﾊｧｯﾊｯ、ﾊｧｯ」
渡辺「おーいおい。ちょっと、また呼吸速いんじゃない？ん、そうそう。ふーって…」
「っぃ、い…たいっ、ﾊｧｯ…」
渡辺「んー、痛いな。痛いの、息吸いすぎなの。肺が、やめてーって言ってんのよ」
ひとまず樹に抱っこ代わってもらって、俺は反対から背中さすりながら声をかけ続ける。
やっぱ父親ってすごいもんで、抱っこ代わった瞬間、それだけで心なしか落ち着いた気もするんだよな…。
青「…A？これ、北斗にされたー？」
「…ﾊｧｯ、んっ」
青「はぁ〜っ…。あっの野郎…」
渡辺「いや、まぁ…俺が駆けつけた時の感じだと、けっこう衝動的にって感じだったよ？北斗もめっちゃ動揺してたし…。とりあえず、冷やそっか。跡になっても嫌だし」
北斗にとっても、Aにとっても。
そう思って、保冷剤だけ取って帰ってくれば、まだ涙は止まらないみたいだけど、樹のおかげでだいぶ呼吸は落ち着いてきた様子のA。
渡辺「ん、これ。Aー？ちょっと冷やっとするよ？」
「っ、んっ…ゃ、っ」
青「大丈夫、大丈夫。赤くなってるとこ、冷やすだけだから。これしないと、跡残っちゃうっしょ？最初痛いけど、しばらく我慢」
「ん…っ、ﾊｯ…っく」
未来のお前のためなのよ、ってAを宥めてるけど、ヒリヒリと頬が痛むのか、樹に抱かれてはそれを嫌がるAを、またなんとか二人で宥めて。
少しアイスノンが溶けてきたこともあって、ようやく呼吸も涙も落ち着いて、差し出したお茶もチビチビと飲んでくれたから一安心。
も、束の間。
ここからは、父親の出番。
青「んで？Aは、なんで頬っぺたがこんなことになってんの？」
ゆっくり、優しく聞いてはいるけど、いつもよりもワントーン低くて落ち着いた声の樹に、何かを感じたのか少しだけ身構えるA。
チラチラとドアの外を気にしているあたり、たぶん樹は出て行った北斗のことも気にしていて。
それでも、まずは目の前のAから逃げない樹の姿に、俺にはない“父親”の強さを感じた。
「A…もっ、ゃ…だったっ…ゃだった、けどっ…」
AもAで逃げずに話す姿に、“生きる”ことと真っ直ぐ向き合おうとする強さを感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 575人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かん。(プロフ) - そらんさん» リクエストいただきありがとうございました☺︎短編��にてお話アップさせていただきました！大変、お待たせいたしました。これからも、作品共々よろしくお願いいたします！ (7月30日 22時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - さくらさん» リクエストいただきありがとうございました！続編にて、お話書かせていただきました☺︎おまたせしてしまい、すみません。。また、他のお話もお楽しみいただけたら嬉しいです！これからも、よろしくお願いします❤︎ (7月3日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ピンクBlackさん» リクエストいただきありがとうございます！お時間いただいてしまいすみません。。続編にて、お話完結となります☺︎お楽しみいただけていたら嬉しいです！ (6月11日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
そらん - いつも楽しく読ませていただいてます！かんさんの小説が大好きです！リクよろしいですか？のせいでもないし、誰にもどうしようもの続きで、ルンバ−ルで痛くて過呼吸起こしてしまうのをもし書けたらでいいのでお願いします！ (5月12日 2時) (レス) id: 586b465d2d (このIDを非表示/違反報告)
さくら - リクエストさせていただきたいです!!本編の220話でほっくんがdtskと詰所に行ったかと思いますが、その詰所でどんなこと話したのかとかどんな時間過ごしたのかのお話お願いします。昔の甘えん坊になってる感じなのかなっておもいます。特にskには甘えてそう (2023年4月18日 22時) (レス) id: 3f90d4971e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2023年1月5日 21時
