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【風磨】
菊池「なーんしてんの、あなた」
「…ん？あ、ふーま。なにしてんの？」
菊池「ん？じゃないのよ、こっちのセリフ。…入院中なんじゃねぇの？」
誰が聞いててもこんなの気まずいだろうから、最後は小声で聞けば、“まぁ外出ってやつ”なんて。
年明けの退院はかけらも望みなく、あえなく散ったという話は記憶に新しい。
そんな奴が、こんなところは1人で外出などさせてもらえるのだろうか。
「…嘘です。…逃げてきた」
菊池「は…？」
思っていたよりも、腹の底から低い声が出た。
ビクッとAちゃんが肩を震わせたあたり、普段の俺じゃ出さないような、そんな声なんだと思う。
てか病院のセキュリティ、どうなってんだよ。
菊池「…帰ろ」
「…やだ」
ですよね、なんて。
チラッとうしろ見れば、樹が心配そうにソワソワしながらこっち見てるし、たぶんさっきの声を出すくらいの不穏な空気がアイツんとこまで流れてはいるんだろう。
帰るのは嫌だって言うし、だからって見つけちゃった以上は、俺だって事情はある程度分かってるから、このままにはしておけないわけで。
菊池「お姉さん？さすがに俺、黙って見過ごすことはできないよ？まだ入院してるんでしょ？入院、してなきゃいけない病状なんでしょう？」
「っ…」
菊池「なんで年明けに退院ができなかったか…それ、自分が一番よくわかってんだって、あの日俺にメッセージ送ってきたの、あなただよね？」
「わかっ…」
菊池「分かってないから、今…Aちゃん、こんなところにいるんだろ？」
許せなかったのかもしれない。
あれだけ全てをぶちまけて、必死に思いの端くれを伝えた�眞呂了僂鮹里辰討襪�ら。
確かに少しからかいはしたけど、あの日の�眞呂砲蓮△劼箸蠅涼砲箸靴董△修了僂吠舛砲發覆�本気で感動なんかしちゃったから。
だから、そんな�眞呂了廚い�踏み躙られてしまった気がして…。
「ゅ…ちゃ、まっ…る」
菊池「ん？」
「…優ちゃん…待ってる」
菊池「�眞蓮弔海獲茲鵑痢�」
「ん…」
菊池「…そっか。なら…せめて、一緒に待ってよ。なんかあったら俺�眞呂亡藐�けできない」
�眞呂�来るなら、って。
どんな経緯でそうなってんのか、全く読めないけど…�眞呂�ここに来るなら、なんとなく大丈夫な気がしてさ。
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年11月4日 20時
