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【優吾】
結局特になにか変化もないまま、ズルズルと時だけが過ぎるこの感じ。
仕事が特段増えるわけでもなく、ドラマも映画も無くなった俺にとっては、本当に今まで通りの慣れ親しんだ仕事が戻ってきたってだけ。
入所した時から変わらずレギュラーで出てるスクール革命があるだけ、まだマシなのかも知れない。
青「�眞�〜、年末よろしくなー」
黄「ん？あぁ、横アリのことか。よろしく」
青「また呼ぶの？Aちゃん、だっけ？」
黄「呼ばねぇよ。つか、呼んでも樹だけには会わせたくない」
青「は！？なんでよ！俺、さすがに人の女取るほど汚くねぇぞ！」
黄「別に俺の女でもねぇわ」
青「え？…え、そなの？」
黄「はい、この話終わり〜」
なんとなく、最近はAの話が出ることすら避けたくなることも増えていた。
別に、相手が樹だからってわけではない。
単純に、Aのこと考えるのが…しんどい。
たぶん俺が心の底で望んでしまっているであろう未来と、そんな理想とは一切かけ離れた現実と、Aが今ようやく楽しんでいるであろう人生。
そのどれもが、極端な場所で散り散りになっていて、かつ交わることのないことばかりだと、自分の中で完結できてしまうことが、どうにもしんどかった。
母『年末は？いつ帰ってくるの？』
黄「え〜…あぁー。わかんねぇ。みんなと相談して決めるわ。先輩の見学行くかも知んないし」
母『仕事なら仕方ないけど、それ以外ならなるべく早めに決めてよね〜』
黄「っせーな、分かってるよ」
母親からの帰省の催促すらも嫌になる。
だって、実家に帰るってことは…
“家は変わらず3軒隣”
3件隣には、Aがいるわけで。
ただただ、気まずい。
何があったわけじゃないのに、ただしばらく連絡を取らないだけで、勝手に自分がしんどくなってるだけで、とは思うけど…それでも。
黄「あ゛〜っ！」
こんな時ばかり気になる幼なじみのSNS。
Aが楽しそうなのは普通に嬉しいのに、どこか取り残されたような、モヤモヤするこの感覚。
この番組が始まった頃は、同じグループで、似たような衣装だった風磨と健人が、今は俺らとは比にならないほどキラキラした豪華や衣装を着て、踊る俺らの前で歌ってることへの思いも相まって。
黄「なにしてんだろ…俺」
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年11月4日 20時
