いつも僕らは-4- (ページ40)

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【190】SHINTARO ページ40

1日、また1日と、Aがに違和感抱くことが多くなっていて、何かあったんじゃないかと心配をしていた時のことだった。

“ちょっと、うちヤバいかも”

Aが自分からそんなこと言ってくるなんて、明日雪でも降るんじゃないかって思うほどで。

なにがあったのかと聞けば、どうやら翔太くんが、かなりいっぱいいっぱいになっているみたい。

「多分、お仕事が忙しいのもあると思うの。忙しいのに、家族のことも、向こうの家行ったり来たりしてるし、電話とかも頻繁にしてるみたいで…なんか、余裕ない感じ」

慎「あら、珍しい…」

「要領はいいからね…。でも、口出せば口出したで、お前は心配すんなって、それしか言わないし…どうしていいのか分かんない」

慎「らしくないもんね。…でも、俺らまだ子どもだし」

「そうなんだよね…」

“子どもだし”

そう言うことしかできなかった。

そう言うことしかできなかったその言葉に、分かりやすく落ち込んだというか、悔しそうというか…Aはなんとも言えない表情をしていた。

「…A、次の授業パス」

慎「んえっ！？え、ちょっ！A…！」

「一人でいい。保健室だもん」

慎「…一緒に行く。俺もサボる」

「サボりとか良くないよ」

慎「どの口が言ってんの」

そんな屁理屈の言い合いを重ねたまま、結局俺も一緒に保健室なわけで。

俺が付き添いできたと思ったのか、桐山くんがちょっと慌てた様子でAのところに来たけど、調子悪くて保健室へ来たんじゃないとなると、それはそれで心配そうな桐山くん。

桐山くんに任せておけば、きっと大丈夫だと思ってそのまま帰ってきちゃったけど。

北「A、なんか言ってた？」

慎「えっ…」

北「翔太くんのこと。色々、大変みたいでさ」

慎「…北斗に言ってないこと、俺に言わないと思う」

嫉妬？なんてふざけてる北斗だけど、ふざけてるのはその言葉だけで、ふと顔を上げれば、心配そうに眉を下げて、やっぱ荒れてる？って。

俺ら男子みたいな荒れ方ではないにせよ、あれは確かに、Aなりに荒れていたのかもしれない。

慎「早く大人になりたい」

いつぶりに、その言葉を呟いただろう。

何度だって思ってきたことだけど…子どもだから、何ができないなんて…そんなの、俺は嫌だったんだ。