いつも僕らは-4- (ページ31)

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【181】HOKUTO ページ31

「あれ？ほく、それだけ？」

北「あいつらが持ってる」

「ふふっ。相変わらずたくさん買うね〜」

あと何度、こうやって幼なじみと年越せるんだろう…なんて、柄にもないことを思ってみる。

きっと県外の大学へ進学することにはなる。

だからって、別に4人で会えなくなるわけじゃないし、ただ行き来すればいいだけの話。

なにも言わずとも、長期休暇にはこっちに帰ってきて、またいつもみたいに4人でフラッと集まっては、なんてことない名前のない時間を過ごすんだと思う。

けど、やっぱ違うんだよな…想像が、つかない。

「ひっどい顔してるよ？」

北「あなたねぇ、もう少し言い方ってもんがあるでしょうよ…」

「なんか、百面相みたいだった。年越しだよ？もうちょっと楽しく行こうよ」

北「俺は、Aといれるだけで楽しいよ？」

「…そういうの、いいから」

ちょっとばかり不安なのは、俺がこのコミュニティから離れることなのかもしれない。

思えば、物心ついた頃から4人であるのが当たり前で、いざこの4人が離れるとなると…考えられるのは、樹がいなくなった小学校5年の秋だけで。

そこからはしばらく、そんなにいい思い出のなかった俺たちだから、ある種トラウマのように思っているのかもしれない。

Aは…Aは、2年後、どうしているんだろう。

なにを求めて、どんな未来を歩んでいるんだろう。

慎「へーい！おまたせーっ！」

「しん〜！あ、ゆっちゃん！」

柚「よかったの？私来ちゃって」

「ふふっ！ゆっちゃんー！」

ゆっちゃんの存在は、不思議だった。

いつの間に必要以上に周りと関わることを避けるようになったAが、こんなにも自然に体を預けることのできる親友。

だからこそ、慎太郎は彼女を選んだんだろうけど。

と、なると気になるのはやっぱり樹の彼女なんだけど…。

慎「心配？」

北「ゆっちゃん？」

慎「なわけ。柚は大丈夫っしょ。…昨日、樹の彼女に問い詰められた。樹がA抱きしめたあの現場、見てたっぽくて」

北「うわぁ…」

ついてないというか、なんというか。

ワンチャン今日来れないんじゃない？なんてソワソワとケータイを気にする慎太郎の気持ちもつゆ知らず。

スッキリした状態で、いや、最悪Aがなにも気づくことなく年を越せればいいんだけど。