いつも僕らは-4- (ページ13)

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【163】JURI ページ13

母ちゃんが入院をすることになって、しばらく翔太くんとこでお世話になることになった。

…てか、Aんとこ。

樹「お前さ…ちょっとは嫉妬とかしろよ」

北「どして？」

樹「お前の彼女とひとつ屋根の下だぞ！？」

北「そう言ってくるやつは、大抵何もしない。例え、お前が昔からAのことを好きだったとしてもね」

樹「なんか余裕そうでムカつく…」

信頼の証って言って？なんてコテンと首を傾ける姿、Aなら多少はかわいいと思うんだろうけど、あいにく俺は幼馴染の男にかわいいなんて思うことはねーよって。

俺だって仮にも男だってのに、余裕そうな北斗。

北「そりゃ俺だって、前までだったらすげぇ嫉妬してたと思うし、めちゃくちゃ心配してたよ」

樹「ふーん…」

北「樹だってわかってんでしょ？」

樹「お前ほどじゃない」

なんでそんなツンケンしてんのってクスクス笑う北斗はいつも通りで、俺だけがなんか余裕ないみたいで悔しい。

北斗の言う通り、なんとなく最近のAが前までと違うような感じはしていた。

高校生になってから徐々にではあったけど、AにはAなりの意思が強くなっているのを感じて、自分と比べてなんだか取り残されているような気持ちになったことだってあった。

多分それが、北斗とのことにも向いたんだろう。

北「冬休み、1週間だけ入院すんだって」

樹「A？」

北「そ。この前の検査で、ちょっと詳しく検査して治療したいことがあったみたいでさ。前までだったらきっともっと落ち込んでたと思うんだ」

樹「食い下がったんだ、A」

北「多分ね。ダメ元なんだろうけど…てかさ、これがいいことなのかは分かんないよ？体のことだし。医者の言うことに従えよって思う人だっているんだろうけど、なんか…Aんこと、初めてカッケェなぁって思ったんだよね」

…嬉しそうな顔でそんな話すんな。

なんて思いながら俺が北斗に何も言えないのは、俺も最近のAに関して似たようなものを感じていたから。

それと、俺自身も少しずつ考え方が変わってきた気がしてたから。

北「ま…もし樹にA奪われそうになることがあれば、容赦なくボコボコにするつもりだけどね」

樹「は！？」

北「ふふっ、嫌ならしないでよ？」

北斗は無邪気に笑っていた。