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【岩本】
移植から2週間。
順調なら、そろそろ白血球立ち上がってくれてもいい頃なんだけど…相変わらずマイペースなお嬢の体。
“Prrrrr Prrrrr”
最近よく胸元で光るPHSはAからで、なかなかコールをしないAにとっては珍しい。
渡辺「はいはい、どったのー？…うん、うん。大丈夫だからね、すぐ行くから。待っててね」
岩本「A、なんて？」
渡辺「寒い寒いって泣いてる…これ以上熱上がったらマズいよなぁ〜」
岩本「あー、いいよ。俺行ってくるわ」
まだ仕事が山のように残っていそうな翔太に声をかけて、Aの待つクリーンルームへ向かえば、カタカタと体を震わせて寒さに耐えるA。
頬だけは一丁前に真っ赤に染まっていて、それでも視線を落とせば、真っ青な唇が震えていた。
岩本「A、先生来たからね。寒かったな…お布団増やしたからね」
「せんせ…っ」
岩本「んー？お腹痛い？」
「っ、たい…っ」
なかなかに攻撃されてるなぁって思いながら、お口見せて？なんて言えば、ダルそーにあーっと大きな口を見せてくれる。
やっぱり、こちらも思った通りのただれ具合で、見せてもらったのはこっちだけど、痛々しくて、思わず閉じて閉じてって。
「せんせ、が…見せてって、言ったじゃん…ふふっ」
岩本「思った以上の迫力だった」
「なんだ、それ…」
岩本「あんなに何度言ってもカバさんの口出来なかったAが、こんなに大口開けてくれるとは思わないのよ」
いつの話してるのよって、力なくではあるけど笑ってくれたAの頭を撫でると、手にジワジワと伝わる温もり。
ゆっくりだけど、マイペースだけど、この温もりは、Aがじっくり自分の新しい体と向き合っている証拠なんだって思ったら、同じくらい熱いものが込み上げてくるような気がした。
慌ててそれを引っ込めて、翔太にお口の薬頼んでおくねって言えば、“ひぃせんせ、泣き虫ね”って、俺を揶揄う声がした。
渡辺「泣いたのバレバレ」
岩本「うるせぇな」
渡辺「なんか、込み上げるよな」
岩本「成長してんだよ、あいつも…俺らも」
言葉が話せない頃からずっと見てきた。
ご両親と同じくらい、側に居させてもらったんだ。
これから先も、見守らせて欲しいっていうのは、俺たちのわがままなのかな。
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かん。(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！一番好きと言っていただけて、嬉しい限りです(;_;)移行先でも、お楽しみいただければ幸いです！これからも、作品ともども、よろしくお願いいたします(^^) (2021年9月11日 1時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます^_^占ツクの中で一番好きなお話です！看病系のお話が好きで、主人公ちゃんの体調不良のお話を書いていただけてとても嬉しいです。ストーリーも感動する内容が多くて、本当に主様の作品のファンです！これからも楽しみにしてます！ (2021年9月9日 22時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - サルコイドーシスはじめて聞きました。調べてみたら全身？に症状が出る病気みたいで心配です。 (2021年9月8日 7時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» いつもコメントありがとうございます！少し物語が動きますが、またゆっくりお待ちいただけたら嬉しいです＾＾ (2021年9月8日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 北斗くん何があったか気になります｡ (2021年9月7日 21時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年7月4日 12時
