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【岩本】
深夜1時過ぎ。
静かすぎる医局で響いた俺のピッチに映る名前は、1人しか思い浮かばない。
ちょっとずつ、落ち着いてたのにな…。
岩本「A、大丈夫だからな。聞こえるー？ちょっとだけ、頑張ろうな〜」
渡辺「A、照先生来てくれたからね。しょっぴーもいるからね…ｯ、先生、サット下がってます…」
岩本「酸素3Lまで上げて様子見しよっか。ごめん、ごめん。苦しいよなぁ…」
久々にここまで大きい発作…心臓にまで負担かかってるな…。
こんなに低いサチュレーション…俺は体感したことないけど、俺なんかじゃ想像つかないくらい、苦しいんだと思う。
「ｾﾞｪｯ………ﾋｭｰ、ゲホゲホッ！…ｺﾎｯ、にぃ……」
岩本「っと、喋んないよ」
「にぃ…ｹﾎｹﾎ、ｾﾞｪｯ……ﾋｭｯ、ｹﾞﾎｯ……にぃ、に…」
こんなにも苦しい中で、やっぱりAが呼ぶのは北斗で…余計に、俺たちも苦しくなる。
分かってる。
今回のことでAが精神的にしんどくなることも、こうして体調面に現れてしまうことも、予想はしていた。
岩本「上がった？」
渡辺「いや…89…っと87か。全然上がんない」
岩本「反応悪いなぁ…5L流すか。マスクある？」
いつなにがあってもいいように、準備していたモニターもマスクも、結局全部使う羽目になって。
小さな顔にマスクをはめようとする俺に、細い腕に点滴を追加する翔太に最後の抵抗をするAは、もう十分すぎるほど、色んなものと闘ってんのに。
「ﾊｧｯ、ｹﾞﾎｯ…ﾋｭｰｯ……ｾﾞｪｯ……んっ、やっ…」
岩本「やだね…ごめん、でもマスクしないと、A苦しいままなの」
「んっ、も…ﾋｭｰ…ｾﾞｪｯ……もう、ｹﾞﾎｯ、ｾﾞｯ…やだ、よ…」
“もう、やだよ…”
小さな声に、一瞬手が止まった。
渡辺「先生。…先生？…照っ！」
岩本「えっ、あぁ……」
渡辺「挿管しないと、A…」
動揺したんだ。
口では嫌だ、やりたくないって言うこともあるけど、いつも、最後にはちゃんと、前向きに治療に取り組んでくれていたAだったから。
もう嫌だと呟いて、そのまま意識を飛ばした一連のそれが、Aの抱えていた全てのような気がして。
渡辺「俺より弱く、なんないでよ…」
その翔太の声さえも、うまく聞き取れなかった。
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かん。(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！一番好きと言っていただけて、嬉しい限りです(;_;)移行先でも、お楽しみいただければ幸いです！これからも、作品ともども、よろしくお願いいたします(^^) (2021年9月11日 1時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます^_^占ツクの中で一番好きなお話です！看病系のお話が好きで、主人公ちゃんの体調不良のお話を書いていただけてとても嬉しいです。ストーリーも感動する内容が多くて、本当に主様の作品のファンです！これからも楽しみにしてます！ (2021年9月9日 22時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - サルコイドーシスはじめて聞きました。調べてみたら全身？に症状が出る病気みたいで心配です。 (2021年9月8日 7時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» いつもコメントありがとうございます！少し物語が動きますが、またゆっくりお待ちいただけたら嬉しいです＾＾ (2021年9月8日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 北斗くん何があったか気になります｡ (2021年9月7日 21時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年7月4日 12時
