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【優吾】
黄「よっ」
「ふふっ。ゆーご！」
黄「なになになに〜。ちょ、なんで裸足なのよ。靴下は？」
俺の小言に、サンダルに靴下はダサいのなんのって、自論ぶちかます可愛い姪っ子は、なんだか、ここ最近ではあまり見なかった、吹っ切れた顔をしていた。
高校から先は、ひとまず進まないって決めたみたいだけど、それなりに勉強も楽しそうに続けてて、後ろ向きな諦めではなかったんだと、俺も安心している。
「ゆーごぉ〜」
黄「なんよ」
「もしさぁ…例えばね？もし、Aが将来…大学行ってみたいなぁって思ったら…その時は、行ってもいいと思う…？」
珍しい。
ただ率直に、そう思った。
良くも悪くも、昔から諦めの早い子だった。
一度決めたNO対して執着をしないのは、何度も傷つくことを無意識に恐れた、Aなりの自己防衛だったんだと思う。
そんなAが、一度は自らNOを選択した“進学”に対して、こんな前向きな言葉を出すだなんて。
Aが、未来を前向きに見つめていることが、嬉しくて仕方なかった。
黄「いいに決まってんだろ。誰がダメって言っても、そん時は俺が背中押す」
「ゆーご…」
黄「ま、誰もそんなこと言わないと思うけどね？笑」
言うわけないよ、誰も。
今まで、Aがどれだけ我慢して、色んなことに耐えて、苦しんで、それでも必死に前向いて生きてきたか、その生き様は、Aをそばで見守ってきた人たちはみんな知ってる。
時には校則破ったり、悪戯したり、治療がちょっと嫌になっちゃうこともあったけど…それでも。
少なくとも俺は、Aが、Aの選んだ道で幸せになるなら、なんだって構わない。
「60個のケーキ…」
黄「ん？」
「60個のケーキを、食べるの。ママとの、約束」
考えても考えても、よく分からなくて。
どういうこと？って聞き返せば、嬉しそうな顔を見せるA。
「夢でね、ママが…初めて話してくれた」
そう言えば、ママの声を知らないから…ってそんなこと言ってたっけ…。
「今、18歳でしょ？人が、80年生きるとして…Aには、あと、62年残ってる。60個のケーキを食べるまで、ママのところには、行っちゃいけないの」
ちぃとAの、確証のない優しい約束に、温かい雫が一筋、俺の頬を伝った。
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かん。(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！一番好きと言っていただけて、嬉しい限りです(;_;)移行先でも、お楽しみいただければ幸いです！これからも、作品ともども、よろしくお願いいたします(^^) (2021年9月11日 1時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます^_^占ツクの中で一番好きなお話です！看病系のお話が好きで、主人公ちゃんの体調不良のお話を書いていただけてとても嬉しいです。ストーリーも感動する内容が多くて、本当に主様の作品のファンです！これからも楽しみにしてます！ (2021年9月9日 22時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - サルコイドーシスはじめて聞きました。調べてみたら全身？に症状が出る病気みたいで心配です。 (2021年9月8日 7時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» いつもコメントありがとうございます！少し物語が動きますが、またゆっくりお待ちいただけたら嬉しいです＾＾ (2021年9月8日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 北斗くん何があったか気になります｡ (2021年9月7日 21時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年7月4日 12時
