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【北斗】
入院って、こんなに暇だったっけ。
そんな風に思うのは、ありがたいことに、こんな風に長期の入院をすることが、久しくなかったからだと思う。
宮舘「調子どう？」
黒「んー…いまいちスッキリしない感じ」
宮舘「あー…うん、雑音は小さくなってきてるけど、時々脈飛んでる。自覚ある？」
黒「昨日の夜、何回も飛んだと思う…」
正直に言うのはいいことだから、その時点ですぐに言えと小突かれたけど、夜は俺だって静かに寝ていたかったんだから許して欲しい。
とは思うものの、胸のあたりが気持ち悪くて、結局のところ静かに寝るなんてことは叶わなかったから、素直に謝る。
一方のAはどうなのかと先生に聞けば、一時的に意識も混濁していたものの、回復は思いのほか早く、安心していいと言われる。
宮舘「Aも、強くなってるでしょ？」
黒「そうね」
宮舘「大事そうに、シャチのぬいぐるみ抱えてたよ」
黒「あぁ、増えたお友達？」
どうでもいい話をしながら、そっと俺の頭を撫でるのは宮舘先生が俺を心配する時のクセ。
小さい頃から、ずっとそうだ。
黒「ちゃんと甘えさせてもらうから…大丈夫だよ」
宮舘「え？」
黒「そりゃ…Aも入院してるし、2人同時に入院なんて子どもん時以来だし、すっげぇ迷惑かけてるなって思うけど…」
黒「でも俺…病人だから。めちゃくちゃ悔しいけど…俺も、助けが必要なんだろうなって思うから…」
そこまで話すと、宮舘先生はもう一度 俺の頭を撫でて、フーッと大きく息を吐いた。
心配だったよって、少しだけ困った顔をして、俺にそう言う先生の頭に浮かんでいるのは、きっと俺がまだ中学生だった10年前のことじゃないかな。
“樹、涼太、Aがっ！”
無意識ではあるけれど、俺の最優先順位は、いつだってAだった。
でも本当はきっと、心のどこかで俺も誰かに助けてもらいたくて…それでも理解のいいフリをしていた。
もちろん、Aがなによりも大切なかけがえのない妹で、俺が一生かけても守りたい相手であることにはなんの嘘もない。
だけど、まだ思春期の入り口だったあの頃の俺は、しょっぴーの言葉に迷わず駆け出した2人を見て、少しばかりの自分に向いたベクトルとのバランスが、あの日の俺にはうまく保てなかったんだろう。
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かん。(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！一番好きと言っていただけて、嬉しい限りです(;_;)移行先でも、お楽しみいただければ幸いです！これからも、作品ともども、よろしくお願いいたします(^^) (2021年9月11日 1時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます^_^占ツクの中で一番好きなお話です！看病系のお話が好きで、主人公ちゃんの体調不良のお話を書いていただけてとても嬉しいです。ストーリーも感動する内容が多くて、本当に主様の作品のファンです！これからも楽しみにしてます！ (2021年9月9日 22時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - サルコイドーシスはじめて聞きました。調べてみたら全身？に症状が出る病気みたいで心配です。 (2021年9月8日 7時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» いつもコメントありがとうございます！少し物語が動きますが、またゆっくりお待ちいただけたら嬉しいです＾＾ (2021年9月8日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 北斗くん何があったか気になります｡ (2021年9月7日 21時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年7月4日 12時
