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【優吾】
黄「ほんと…年末だけは潰れるんだから…」
深澤「まぁ…しゃーないよ、こればっかは」
普段からそれなりに酒も飲むけど、絶対に潰れることのない弟が、唯一潰れるまで酒を飲むのが、年の瀬の今日。
2人の子どもも、それを何となく理解しているからなのか、毎年日付の変わる前には、リビングを離れる。
今日は、弟家族にとっての別れの日。
阿部「15年か…」
黄「ちょうどね…長かったようで、短かったようで。樹はどうなんだろうな」
風磨「さぁな」
昔から、ヤンチャな弟だった。
この小さな田舎町では、樹のことを知らない人なんていなかった。
明るくて、お調子者で、ムードメーカー。
勉強はできないけど、スポーツは得意で、気配りのできる弟は、いつでも人気者だった。
そんな樹の、最初で最後の、本気の恋。
青「ちぃ…」
“ちぃ”は、樹の幼馴染だった。
3月生まれのちぃは、体も同学年の子達より一回り小さくて、守ってあげたくなるような…ことはなくて、天真爛漫で、危なっかしい、別の意味で守ってやりたくなるような子だった。
そんな幼馴染を、20年以上、いつも隣で守り続けたのは、樹。
風磨「俺も昔、ちぃのこと狙ってたんだけどなぁ。騎士には勝てなかった。チビ騎士にも」
黄「…北斗は、ちぃの夢だった。あいつはいつも、生き急いでた」
彼女が、どうしても叶えたかった夢。
“普通に就職して、普通に結婚して、普通に子どもを産んで…それで十分だけど、それが一番難しいかな”
泣きそうな顔で笑った、たった15歳のちぃの顔は、今も忘れられない。
深澤「にしても、ちょっと早かったよな」
黄「まぁ…リミットあったし」
ちぃは、20歳まで生きられたら100点満点の人生だった。
18で北斗を妊娠して、結婚した2人。
思うことのある人もいたんだろうけど、誰も“早い”だなんて言わなかったのは、自然なことだったのかもしれない。
阿部「2人目ができるとは、さすがに思わなかったけどね」
黄「…Aは、ちぃからの最後の贈り物だから」
“樹くんは、守る人がいないと…崩れちゃうから。この子に、託すの…”
Aを妊娠した時、きっともう先が長くないことを悟っていた彼女は、泣きながら、俺にそう言った。
ねぇ、ちぃ。
俺だって、樹と同じだよ…。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
