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【岩本】
岩本「よしっ…A、明日からやーっと、移植の前処置入れるからね。がんばったなぁ」
「ん…」
岩本「まだ頑張らないとだけど…ひとまずね。優吾も頑張ってるからね」
血糖の具合で体調を崩したり、そもそも処置に耐えられる状態じゃなかったりと、2度延期になったAの骨髄移植に、ようやく踏み切れそうなところまで体調が持ち堪えてくれていた。
明日から前処置に入るとまた辛い思いをさせないといけないし、移植ができたりできたで、ちゃんと落ち着いてくれるまでは…
「ゆ、ご…は…？」
黄「ん？来てもらおっか？」
「ん…」
何が楽しいんだか分からないけど、力なくはあるけれど、久々に、Aがクスクスと笑っていて、それは優吾が来てからも。
久しぶりに、人に会って、話せる。
そんな当たり前のことが、嬉しくて仕方がない様子のAに、胸が痛くなった。
前処置の話をした時も、移植後しばらく、しんどい思いをすることを話した時も、Aは、怖いくらいに冷静だった。
“優吾が、Aのために頑張ってくれるから…Aもがんばんなきゃ、失礼だもん”
“A、移植がうまくいったら…みんな喜んでくれるかな？”
自分がどうなるかじゃない。
周りのことばっかり。
黄「家帰れたら、何したい？」
「んー…お寿司、食べたいっ」
目を輝かせて望んだのは、お寿司。
生物、全部禁止してるからなぁ。
黄「だってよ、岩本っちゃん」
岩本「食えるよ。治ったら、寿司も、ケーキも、我慢しなくていい。お腹いっぱい食べていいよ」
「ふふっ…じゃぁ、がんばら、ないとね」
フーッと吐く息はゆっくりで、スーッと大きく息を吸ったAが、俺の方を見て、ニコッと笑った。
「早く、外の…おいしい空気、吸いたいなぁ〜」
今からが本当の闘いだってことを、Aはきちんと分かっている。
逃げるという選択肢も、諦めるという選択肢もないAだから、きっと弱音も吐かないと思う。
岩本「じゃ、明日から前処置始まるから…今日は、早く寝なね」
そっと撫でたAの頭は、髪が抜け落ちていた。
また来るからねって言う優吾の目は、堪えていたけれど、涙で濡れていた。
黄「Aを、よろしくお願いします」
深く、深く、優吾が俺に頭を下げていた。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
