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【宮舘】
目の前で、泣き崩れる北斗を前に、なんの声をかけてやることもできず、やるせなさを感じる。
声をかけられないのは、俺だけじゃなくて、樹も、翔太も、照も優吾も…そこにいた誰もが、ただ子どものように泣きじゃくって、半ば叫ぶように声を出す北斗を見て、立ち尽くすことしかできなかった。
黒「なん…でっ…っ！なんでだよっ！」
いよいよAに骨髄移植が必要になってきて、樹に話をしたのが、数週間前のこと。
そのまま、樹からの依頼もあって、Aにも話は出していて、前向きに“それしか他に方法がないんだったら、やるしかないじゃない”と、笑っていた。
すぐにでもドナー対象者を探すことになるし、普通なら、一番確率の高い兄弟…つまり、北斗が対象になるのが妥当。
でも…
岩本「北斗…俺たちも意地悪言ってるんじゃない。ルールも、ちゃんと理由があって…」
黒「わかってるよっ…！っ…」
宮舘「ちょ、北斗…」
“落ち着いて”と口をついて出かけた言葉は、そのまま飲み込んだ。
こんな状況で、落ち着けるはずなんてない。
誰よりも妹想いな北斗だ。
自分が抱えている病気のせいで、ドナーになることが出来ない事実は、受け入れ難いものだろう。
黒「宮舘…せんせ…っはぁ…ﾊｧｯ」
宮舘「…興奮しないの。北斗…一回、ゆっくり話そうか」
心臓病を抱えた北斗がドナーになることで、北斗にもリスクが大きく降りかかってしまうこと。
移植時にに使う薬剤や、それに伴う処置は、なんの既往もない人でさえも、相当な負担がかかるもので、体調を崩す人も多い。
悔しいけど北斗は、提供側もそれだけのリスクを抱える骨髄移植に、耐えられる体ではない。
黒「ｯﾊ…俺が、いちばん…」
宮舘「うん、そうだね…。悔しいだろうけど、こればっかりは…」
非血縁者で骨髄の型が一致する確率は、数百から数万分の一。
親子でさえも、それは奇跡のような確率で。
でもそれが兄弟間となれば、1/4から1/3程度まで、グンと確率が上がる。
自分が一番、Aを助けられる人物のはずなのに、闘わずして敗北の決まった試合のようなもの。
宮舘「悔しいね…。でもね…ズルいけど…俺は、Aも、北斗も大事なんだ…」
何年かぶりに抱きしめた北斗は、目を真っ赤にして、小さく震えていた。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
