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【北斗】
「これはなに？」
黒「ん？…あ、これはココに隠れてるから」
「あ、そういうことか…っ！」
黒「っとっと。痛い？苦しい？」
痛い？にも、苦しい？にも首を横に振るAの顔は真っ青で、目眩なのかなって気づいた時には、俺の方にパタリと倒れ込んできた。
グラグラする…って、小さな声が聞こえてきて、ギューッと俺にしがみついているAは、最近こんなふうに貧血の症状がよく出るようになった。
大丈夫だよって、声を掛けてあげることぐらいしかできない上に、Aの病気があまり良くなっていないことを実感してしまう。
“このままなら、移植になりそう…”
そう言って、悔しそうに唇を噛んだ父さんを思い出した。
岩本「あれ。呼んでくれたらよかったのに…A、気持ち悪いー？」
黒「すいません、手塞がっちゃって…」
岩本「いいよ、いいよ。Aー、ちょっとだけ先生の方向ける？」
ｺﾎﾟｯという小さな音が聞こえたかと思えば、それが合図かのように、何度も波打つ背中。
幸い、すぐに異変に気づいてくれた岩本先生のおかげで惨事は免れたものの、止まることのない吐き気と、いつの間にか止まらなくなっていた鼻血。
肩は大きく上下して、心なしか、背中が熱くなってきたような気もする。
岩本「まだ出…るな。…あ、佐久間ぁ？悪りぃ、Aんとこ来れる？嘔吐」
黒「しんどいねぇ…。もういい？出ない？」
佐久間「あーら、グッタリだねぇ。今日朝は調子良かったのんね…A、お顔と手だけ拭こうか」
佐久間くんと岩本先生にされるがままのAは、もうどうにでもなれ…といった様子だった。
先生たちが病室を出ると、Aは何も言わず、俺の手を取った。
黒「疲れちゃったね…」
熱が出てきて、少し汗ばんだ額にペタッとくっついた前髪をいじれば、露わになるのは、熱のせいか潤んだ瞳。
そんな彼女に追い討ちをかけるように、ピコンと可愛らしい音を立てたAのケータイに目を落とせば【速報】と書かれた文字の下に、かつて彼女が切磋琢磨していた仲間の、輝かしいニュース。
普段なら、それを自分のことのように喜ぶAは、すぐに目を逸らして、布団に潜り込んだ。
黒「悔しいな…」
分かるよ…なんて、そんなこと軽々しく言えるわけなかったんだ。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
