105 ページ5
【慎太郎】
男ばっかで嫌だー！って、Aの大声が響くのは、年越しの恒例事項。
今年も、途切れることなく独身男たちの集いは開催されて、田中家にはいつも以上の男たちと、華のJKが1人という、俺らにとっては当たり前の年末の光景。
「ねぇ、飲んだら片付けてくれる？なんでいつもできるのに、年末だけできなくなるの！」
緑「ふふっ。毎年ありがとな、A」
「もー。慎ちゃんだけだよ、手出してくれるの」
黒「待て待て、俺もちゃんとやってるからな？」
この兄妹にとっても、普段からいる阿部ちゃんやふっかに加えて、俺やきょも、風磨や病院の年末に休みをもらえた勝ち組が集まるのは、毎年の慣れたこと。
今年は新入りのジェシーもいることだし、余計にやかましくて、ちょっと楽しい。
うんざりした顔をしてはいるけど、Aもこの空間が大好きなのは俺も知っている。
昔、酔っ払った風磨が、ふざけて中学生だったAに缶チューハイ飲ませて樹がブチギレたのは、もう時効だろうか。
緑「っと…あぶねぇ」
「ごめん、ちょっとグラっとした」
黒「貧血。ちょっと寝ておいで、盛り上がってきたら起こすから」
「ハハッ、これ以上…盛り上がる？笑」
例年、これが永遠と年明け何時間後まで続くことは分かっているAだから、ちょっと呆れ気味だけど、ほんの少し、しんどそう。
いいからって言う北斗に支えられ、リビングから出て行くAが少し心配だったけど、戻ってきた北斗を見て、理由を悟る。
緑「きちゃった？」
黒「みたい。これだけ男いるし、まぁ…内密に。しばらくすれば、落ち着くと思うし」
緑「大丈夫ならいいけど」
薬は本人の部屋にあるのか、水と湯たんぽだけ用意して、ブランケットを手に取った北斗。
さすがに手一杯だろうと、片手に取った湯たんぽを受け取り、2人でAの部屋へ行けば、お腹抱えてベッドに横になるA。
緑「あらら。お腹痛くなってきちゃった？」
「慎ちゃ…」
黒「あー、だいぶ痛い？起きれる？」
俺が支えてやれば起き上がれるらしくて、慎ちゃん、慎ちゃんって頼ってくれるのが、久しぶりでなんか嬉しい。
北斗が慣れた手つきで薬を飲ませて、お腹さすれば、Aはすぐに眠りに落ちた。
早く良くなって、今年も一緒に年越せるといいな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 842人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
