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【慎太郎】
新学期はやっぱり、何度経験しても忙しいもので。
俺もきょもも、しばらく休みなく残業も当たり前の様にガムシャラに仕事してきた4月の1ヶ月間。
Aのところへ行くことも、仕事帰りに田中家にフラッと立ち寄ることも一度もできずにいた。
けど、GWも明けた5月の半ば。
今日ばかりはと樹からお願いをされて、なんとか仕事の都合をつけた。
緑「うっす」
青「おう…さんきゅ…」
久々に会った樹は、元々ヒョロヒョロなくせに、また一層痩せ細ってしまった様に感じる…というか、確実にコイツは痩せた。
たった数週間会ってなかっただけなのに。
緑「A…どう…？」
青「うん…。ね…」
そう言ったっきり、樹は黙りこくってしまって俯いた樹に、かける言葉が見つからなくて、この家には似合わない沈黙が流れる。
樹が今日、なんのために俺を呼び出して、俺にどんな話をしたかったのかは分からないし、その内容が気になってはいるけど…到底、なぜ俺を呼び出したのかなんて聞ける雰囲気ではなかった。
どれくらい、2人の沈黙の時間が続いただろう。
フーッと、樹が長い息をついたかと思えば、次に聞こえたのは、彼が鼻を啜る音で、あれよあれよという間に…彼の呼吸が速くなる。
緑「…樹、苦しい？」
青「はぁっ…はぁ、わりっ…はぁ、しん、たろ…」
緑「喋んなくていいよ…。苦しいでしょ？」
昔から俺にとっては優しい存在で、いつも頼りになる兄貴肌の樹が一気に崩れていく気がして、ものすごく怖さを感じた。
大丈夫、大丈夫だから…って声をかけながらさすった樹の背中が、いつもより随分と小さく見えて、その弱さを、包み込まないと、樹が消えてしまいそうな気さえして、苦しかった。
樹を助けてよ…ちぃ姉…。
俺ひとりで樹の苦しさと向き合うのが、どうしても怖くて、そんな気持ちになる。
願いが通じたのか、それとも時間の問題か、少しずつ樹の呼吸は落ち着いてきて、ようやく少しだけ俺も安心する。
青「悪りぃ…」
緑「んーん。…聞いても、大丈夫？」
青「…ん。もう大丈夫」
そうして樹から聞かされた話は、俺が無意識に願っていたのとは、ほぼ真逆の残酷なもの。
話しながら、何度も言葉に詰まり、次第に真っ赤に染まる樹の目を、どうしても直視することができずにいた。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
