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【宮舘】
しばらく、通院の頻度を増やそうかいう俺の提案を素直に飲むあたり、Aではなく北斗だと実感する。
これがAなら、あーでもない、こーでもないと理由をつけては、3ヶ月に1回のペースを保とうとする。
黒「俺、あいつと違って自分の体には従順だから」
宮舘「何も言ってません」
黒「Aほど制限されてるわけじゃないからね。我慢できるってのはあるけど」
今回ばかりは葛藤に負けて、結局妹の前で倒れたくせに…というのは、彼のプライドを割りかしズタズタに傷つけるだけなので腹の底に飲み込む。
もう一度慎重に彼の胸に耳を傾ければ、本人も認める通り、無理はしたんだろう。
心は強いと思っていた北斗も、いつだって強くいられるわけではなくて、そんなのは、誰だってそう。
宮舘「お前ね、体だけじゃなくて…心だって、無理する必要ないんだからな」
黒「…分かってますって」
宮舘「わかって…」
黒「分かってるからっ！…分かってるから、社会人にもなって、“小児科の宮舘先生”に、変わらず診てもらってんの。先生の方こそ…分かってよ…」
忘れかけていた。
語彙力には長けているけど、感情を表すのは得意なわけじゃない。
ごめんごめんと呟いて、北斗の頭を撫でれば、もう子どもじゃないなんて言って、立ち上がる北斗は、いつのまにか俺の身長より随分大きくなっていた。
宮舘「お前のことは信用してる。お前は、俺が診てきた患者の中でも、ダントツに聞き分けが良くて、言い方は悪いけど…扱いやすい」
黒「…褒めてる？」
宮舘「この上なく褒めてるけど、伝わってない？あ、ちなみにダントツ最下位は、おたくのお嬢さんね」
黒「あぁ…うん」
宮舘「ただね、聞き分けが良すぎて…たまに、無意識に“このぐらいでも分かってくれるだろう”とか、思っちゃう」
思い当たる節があるのか、ちょっと照れながらも、納得の表情を向ける北斗。
もっと、患者の心にも慎重にならなきゃ…って、俺にいつだか言ってたのは、健人だったっけ。
“同じheartを診る医者なのに”
全く恥ずかしげもなくそう続けた昔の彼が、脳裏に浮かんだ。
黒「先生…」
宮舘「なに？」
黒「俺、先生が主治医でよかった」
珍しくストレートな言葉を紡ぐ彼は、口下手だった昔の俺に、少し似て見えた。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
