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【樹】
深澤「樹、そろそろ時間じゃない？もう上がっていいよ」
青「あーっと…もう少しでキリつきそうなんで…」
阿部「じゅーり。どこまで終わってんの？俺、代わりにやっとくから、行っておいで？」
青「…ココと、あとはこの部分がまだ準備できてなくて」
はいよ〜って、あべべの優しい声が響き渡って、心の底からありがたみを感じて、Aの病院へ向かう午後3時。
年明け、Aの白血病が分かってからは、ずっとこの調子で、15時には仕事を切り上げて病院へ行く毎日。
とはいっても、急な体調の変化は大きくて、病院から電話を受けるたびに、仕事を切り上げてはAのところへ駆けつけ、抜けられなければ、北斗や優吾が代わりにそうしてくれる日々。
青「あれ、北斗いたんだ」
黒「えっ…父さん抜けられなかったんじゃないの？」
北斗の不思議そうな声を聞きながら、ベッドに目をやれば、真っ青な顔で、しんどそうに眠るA。
聞けば、Aは今日訪問学級に行ったけど、副作用で嘔吐が続いてるせいか、急に低血糖になって早退というか、病室に戻っていたみたいで、北斗のところに電話がかかってきてたらしい。
幸い今日はバイトで北斗も病院にいて、すぐに上がって駆けつけてくれたってわけ。
黒「どこに気遣ってんだか…」
青「結構ひどかった？」
黒「いや、俺が来た頃には落ち着いてたけど、直前まで戻してたらしい」
青「も〜、呼べって言ったじゃぁん…」
なかなか、思ったように頼ってもらえなくて、どこか強がってる娘に、ちょっとばかり寂しくなるけど、心優しい彼女のことだから、きっと色んなことを気にしてるんだと思う。
子どもが、そんなこと気遣わなくていいのにってことまで、きっと。
だから…。
「ん…パパ…」
青「ん。起きちゃった？」
「パパの、匂い…した…ふふっ」
よく鼻が効くのは、北斗と同じで母親譲り。
お前らは犬か、なんて優吾がよく笑ってたっけ。
そんな風に、ベッドに座る俺の背中に鼻くっつけて嬉しそうな顔されちゃったら、頼れって言ったじゃん、なんて、娘の気持ちを無視したことなんて言えない。
青「にぃに、来てくれてよかったな」
「パパも来てくれたから…もっとよかった」
そう言って、また“ふふっ”って小さく笑うAの、精一杯の甘え。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
