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【岩本】
岩本「ん。じゃぁ、翔太に準備してもらおうね」
「やぁだ、先生も…いて」
岩本「んー？じゃぁ、特別な。…宮近、ごめん。準備変わって？」
“実習生”から“補助バイト”になった宮近が、今日のマルクのお供だ。
過去にも経験してるのに、この検査をAがここまで不安がる理由は、あまりいい思い出がないってのが大きい。
岩本「ゴメンな、眠ってできるといいんだけどねぇ。あ、優吾こっち側いてやって」
黄「お、Aのお顔、見ーえた」
岩本「よし、始めよっか」
渡辺「A、ふーって息吐いて？ん、そそそ。じゃぁ動いたら痛いから、しょっぴー、体抑えるね…」
消毒して、麻酔の針を刺すと、Aの体にも、それを固定する翔太の腕にも、グッと力が入ったのが分かる。
優吾の手を握った拳が、小刻みに震えていて、見ているのが辛くなる。
「っ！！！」
ゴメンな、痛いね、もうちょっとだからね…って、そんなの気休めにしか過ぎないけど、そう声をかけてやることしかできない。
岩本「バイタル大丈夫？」
渡辺「うん、今のところは。A、気持ち悪くないね？大丈夫ね？」
「ん…だい、じょぶ…ｯﾊｧ…」
麻酔で気持ち悪くなりやすいAは、片時も気が抜けなくて、最初大丈夫でも、効いてくると共に吐き気がひどくなってしまったこともある。
この後の処置もそうで、チアノーゼも出やすいし、過去には低血糖で意識レベルの低下もあったりして、Aの場合は本当に注意が必要。
岩本「ん。じゃぁ、グリグリするかんな…」
「やあああっ！痛いぃっ！！」
渡辺「痛いね…。でもA、頑張れてるよ。そのまま優吾の手、握っててね」
黄「A、いいよ。ん、そうそう…」
痛い、嫌だ…その言葉が聞こえてるうちは、不謹慎だけど俺にとっては、ほんの少し安心できる材料で。
これが…聞こえなくなると…。
渡辺「照、サット下がってきてる。力入ってねぇし、レベルもちょっと落ちてる」
岩本「A、もう終わったからね。よく頑張った。酸素だけ付けとこ。もーちょっと、ここで休憩してからパパんとこ戻ろうね」
汗びっしょりかいて、涙でぐしゃぐしゃで、グッタリなA。
そんなAの手を握って、ずっとそばで支えててくれてた優吾も、少しだけ泣いていた。
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いちご(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年7月18日 16時) (
レス) id: e02ec1dba7 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - あやかさん» コメントいただきありがとうございます！移行先では、いよいよ移植に踏み切ります…また楽しみにしていただけるように、頑張ります！移行先でもよろしくお願いします♪ (2021年7月5日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 主人公ちゃんが元気になるように、手術が上手く行きますように...と毎話読む度に願ってます。続き、楽しみにしています！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ゆいさん» コメントいただき、ありがとうございます！今後の展開も、ぜひお楽しみいただけるよう、頑張って更新していきます！ (2021年6月27日 19時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルールがあっても、それでも北斗が最愛の妹を救う未来を夢見てしかたないです。これからお話どうなっていくか、楽しみです！ (2021年6月26日 13時) (レス) id: 3cf7c41044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年5月16日 17時
