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【樹】
Aが入院をして、3日。
経過はあまり良くなくて、全く予断を許さない状態らしいく、ナースステーションから一番近い個室にAが入院するのは、今回で4回目。
1回目は、はじめての心臓の手術が終わってすぐ。
手術後に高熱が何日も続いて、この部屋に移動した。
2回目は、小学校4年の秋。
喘息の大きな発作を我慢して、初めて岩本先生に雷落とされてたっけ。
3回目は、忘れもしないあの日の夜。
楽しみにしていた修学旅行に行けなくて、泣きながらAに何度も胸を叩かれて、一緒に涙を流したのもこの部屋だったっけ。
「パパぁ…？」
青「んーん。ねぇA、さっき岩本先生に聞いた今回の入院の話、覚えてる？」
「前より長いよーってやつ？」
青「うん、そう。でね…パパさ、ちょっと、ふっかたちにお仕事のこと頼もうかなって思ってんの」
俺の話を聞きながら、キョトンとしているA。
そりゃそうだろう。
我が家は片親であって、次の春からは北斗も社会人といえ、今は2人の育ち盛りを抱えた家庭。
Aだって、俺が働かなければ、家計がどうなってしまうのだということに目が向いてもおかしくない年齢だ。
青「これね、ふっかと、阿部ちゃんが提案してくれたことなんだ。まずは、Aが元気になるのを優先しようって」
「…め、わく」
青「ふふっ。2人が予想した通りだなぁ。でも…2人がね、“Aが元気になるまでパパとして支えるのが樹の一番の仕事”って言ってくれたんだ。だから、甘えようかなって」
本当にいいの？って聞きながらも、寂しかったのか、それとも心細かったのか…Aは、ものすごく安心したように俺の手を握った。
この温もりが消えないように、アイツが残してくれたこの宝物を、決して失わないように、できることは、なんだってしたい。
「また、大我先生のとこ…行けるかなぁ…」
青「うん、戻ろう。きょもも慎太郎も、待っててくれるって」
「戻るの…ゆっくりでも、いい？」
青「…当然じゃん」
あえて、“大我先生のとこ”に戻りたいと言ったAが、どれだけ苦しんでいたか、それだけで十分に分かった。
いいんだよ、Aは、Aのペースで、ゆっくり進んでくれたらいい。
別に君は特別ではないけど、君は、君で…唯一無二なんだから。
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かん。(プロフ) - みんとさん» コメント、ありがとうございます！続編でも、絡ませられるように、楽しく書いていきますね！これからもよろしくお願いします(^^) (2021年5月15日 22時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！これからも楽しんでもらえるように、頑張っていきます！ (2021年5月15日 22時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
みんと - 初めてコメントさせて頂きますm(_ _)mどれも本当に惹き込まれる素敵な文章ばかりで、夢中になって読ませて頂いていますありがとうございます(〃ω〃)個人的には主人公ちゃんと北斗くんの兄妹の絡みが一番好きなので心身共に支えてくれる優しいお兄ちゃんがみたいです^ ^ (2021年5月15日 0時) (レス) id: e47d9ed926 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します！主様の作品1番好きで、更新されるとすぐ読んじゃいます(^^)これからも続き楽しみにしてます！ (2021年5月14日 18時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - みくさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！大変な時期かとは思いますが、実習頑張ってください！少しでも、息抜きになれたら幸いです(^^) (2021年5月14日 10時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年4月14日 13時
