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【樹】
北斗の言いたいことは、嫌というほど分かるし、多分俺も、心の奥底では北斗と同じことを考えていた。
でも、成長してしまった大人の悪いところなのかもしれないけど、それは叶えられないと勝手に決めつけ、彼の言いたいのと同じことを、言い出せずにいた。
黒「大人って、もったいない」
北斗が珍しく涙を流しながら放った一言は、俺の胸をえぐるのには思いのほか十分な威力を持っていて、それは、しょっぴーも、岩本先生も同じだったみたい。
もっと、本質的なところ…学校へ行って、友達に会って、誰かを応援して…。
いや、違うかもな。
「パパ、顔変だよ？」
青「嘘つけよ。パパは、いつだってカッコいいの」
「パパ？…パパはさ、学校楽しかった？」
そんな言葉を耳にして、あぁ、今日のAの心はユラユラ期なのかなぁ…とボンヤリ頭に思い浮かべながら、ベッドの脇に無造作に置かれた椅子に腰掛ける。
サイドテーブルに、慎太郎が持ってきた何枚かのプリントを広げて、頭を捻りながら問題を解くAが、その質問をどんな気持ちで投げかけたのか…
さっきの北斗の言葉が頭を巡って、素直に答えられる気がしなかった。
青「Aは？学校楽しい？」
「いや、楽しむも何も、行ってないから」
話逸らさないでよ〜って、俺の腕をペシペシと叩く娘は、ここ最近の様子からすれば随分と楽そうな感じがしていた。
俺の向かいでは、同じように椅子に腰掛けた北斗が、Aの質問に、複雑そうに顔を歪めた。
青「楽しかったかな。慎太郎とバカなことやってさ。きょもと授業サボったり、深澤くんと飯行ったり…ロクなことしてねぇけど、楽しかった」
「…体育祭は？」
青「…楽しかったよ。パパ、大活躍だもん。応援団長やって、リレーのアンカーで、騎馬戦の大将。完璧じゃない？」
「ふふっ…なんで、にぃにが生まれたか不思議」
黒「おい。俺だってな…」
こんな空間で、いいのかもしれない。
どこにでもいる兄妹のように、どうでもいい、しょうもないことで笑いながら言い合いをして、時にそれがヒートアップして…しまうのだけは避けてくれたら。
「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ！ｹﾎｯ！」
青「あー、ほら…あんまりはしゃがないの」
できるか、わからないけど…慎太郎に相談してみようかな…。
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かん。(プロフ) - みんとさん» コメント、ありがとうございます！続編でも、絡ませられるように、楽しく書いていきますね！これからもよろしくお願いします(^^) (2021年5月15日 22時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！これからも楽しんでもらえるように、頑張っていきます！ (2021年5月15日 22時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
みんと - 初めてコメントさせて頂きますm(_ _)mどれも本当に惹き込まれる素敵な文章ばかりで、夢中になって読ませて頂いていますありがとうございます(〃ω〃)個人的には主人公ちゃんと北斗くんの兄妹の絡みが一番好きなので心身共に支えてくれる優しいお兄ちゃんがみたいです^ ^ (2021年5月15日 0時) (レス) id: e47d9ed926 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します！主様の作品1番好きで、更新されるとすぐ読んじゃいます(^^)これからも続き楽しみにしてます！ (2021年5月14日 18時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - みくさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！大変な時期かとは思いますが、実習頑張ってください！少しでも、息抜きになれたら幸いです(^^) (2021年5月14日 10時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年4月14日 13時
