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【慎太郎】
9月、夏休みが明けても受け持ちクラスの空席はやっぱり埋まらなかった。
夏休みが明けたとはいうものの、すぐそこまで迫った体育祭に向けて、浮かれた気分がそのまま引き継がれているのは、学校全体のこと。
夏休み前から、出場競技を決めて準備を進めている生徒たちにとっては、今か今かと待ち侘びたものだろうし、俺も学生の頃はそうだったなぁ…なんて。
桃「あーっ、慎太郎、慎太郎！」
緑「おぉ、きょもじゃん。どしたの？」
桃「今日、Aのとこ行く？」
緑「うん、帰りに寄るつもりだけど。渡したいプリントも山ほどあるし」
毎日行くね、なんて入院前に約束はしたものの、体育教師である俺にとって、体育祭は行事の中ではメインイベントのようなもの。
ある程度俺も経験を重ねた方だから、任されていることも多くて、ここ数日は顔が出せていなくて、Aとは時々テレビ電話をするくらい。
運悪く、Aも手術後しばらくしてから体調を崩していて、樹からも面会は控えてほしいと言われたのが重なって、今日が久々の再会。
そんな俺に、きょもが微妙な顔をして話しかけてくることに、疑問符が頭の上でゆらゆらと揺れそう。
桃「いやね、さっきAからメッセージ来てて…」
緑「ん？“体育祭出れるかわからない”…これだけ？」
桃「そう。これだけ。絵文字も何もなし。樹に聞いたら、体調悪いの引きずってるみたい。熱も下がんないって」
緑「うひゃぁ、それは確かに厳しいかもねぇ…マジかぁ…」
まだ日にちはあるし、なんとかならなくもないんだろうけど、術後で体力も免疫もガタ落ちしているところへの体調不良は…厳しいかもしれない。
それで幾度となく裏切られるAを見てきたから、余計にそんな予想が、俺やきょもも、もちろん本人だって簡単にできてしまうのだ。
“学校終わったら会いに行くね〜”って、何も知らないフリをして、普段と変わらないメッセージを残して、午後の授業へと足を進めた。
目黒「しんたろーくん」
緑「森本先生、な？」
目黒「どうしたの？なんか元気ない。…A？」
緑「お前の察知能力、怖い」
コッソリ持っていたケータイを出して、目黒が俺に見せた“退院したら保健室通う”っていうメッセージに、俺の混乱は、深まるばかりだった。
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かん。(プロフ) - みんとさん» コメント、ありがとうございます！続編でも、絡ませられるように、楽しく書いていきますね！これからもよろしくお願いします(^^) (2021年5月15日 22時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！これからも楽しんでもらえるように、頑張っていきます！ (2021年5月15日 22時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
みんと - 初めてコメントさせて頂きますm(_ _)mどれも本当に惹き込まれる素敵な文章ばかりで、夢中になって読ませて頂いていますありがとうございます(〃ω〃)個人的には主人公ちゃんと北斗くんの兄妹の絡みが一番好きなので心身共に支えてくれる優しいお兄ちゃんがみたいです^ ^ (2021年5月15日 0時) (レス) id: e47d9ed926 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します！主様の作品1番好きで、更新されるとすぐ読んじゃいます(^^)これからも続き楽しみにしてます！ (2021年5月14日 18時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - みくさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！大変な時期かとは思いますが、実習頑張ってください！少しでも、息抜きになれたら幸いです(^^) (2021年5月14日 10時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年4月14日 13時
