10.これからもずっと離せない ページ10
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翌朝、鏡を覗き込んでほっと胸を撫で下ろした。ちょっと赤いけど、よーーく見ないと分からない、かな？昨晩しっかりケアして、今朝だって目周りは入念にメイクした。石井さ、……誠一くんにはバレるだろうけど。そもそも本人の前で泣いたんだからバレるも何も無いか。
「おはよ、A」
「え、っ名前、」
「今誰もおらんしええやろ」
周囲を見渡すと確かに誰もいなかったので、本日二度目の胸を撫で下ろし肩を並べてエレベーターを待つ。…なんか、これもちょっと久しぶりだ。嬉しい。思わず頬が緩む。
「……誠一くん」
「………」
「誠一くん？」
「あかんな、会社で呼ばれたら色々まずいわ」
口を覆い隠しながらスタスタと先に乗り込む石井さん、改め誠一くんの後を追う。…さては誠一くんも照れてるな。ふふ、と思わず笑みが零れた。
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「Aー」
「はーい」
声がした方に目を向けるとコピー機の近くで早く、と目力で催促された。作業を止めてそちらに行くと、調子悪いねんコイツ、と誠一くんがコピー機を小突く。買い替え時ですかねぇ、なんて返事をしながら一ヶ所ずつ確認していく。異常なし、ここも異常なし、……下の方？しゃがみ込んで確認すると、同じように誠一くんもしゃがみ込んだ。
……ん？そもそも、こういう機器類は誠一くんの方が詳しいんじゃ…そう思って顔を上げると、一瞬、…ほんの一瞬、唇が触れた。い、いくら死角になっているとはいえ、だ！慌てて誠一くんから体を離すと、その拍子に持っていたコピー用紙を盛大にぶちまけてしまった。
「……っくく、」
「だ、誰のせいでこうなったと…！」
「うん、俺、」
肩を揺らしながら悪う誠一くんを横目に、ぶちまけてしまったコピー用紙を集める。漸く落ち着いたらしい誠一くんも拾うのを手伝ってくれて、はい、と差し出す。
「やっぱ目ぇ離せんなあ」
面白がってるけど、目を離して欲しくないのは事実だったから離さないでよ、と口にしていた。きょと、とした誠一くんの瞳は大きくて可愛くて、…でも時々色気もあって、ずっと見ていたいと思うの、
「……見すぎやって、」
ぽす、と差し出されていたコピー用紙で頭を軽く叩かれた。チラ、と誠一くんを見ると、あの時みたいに頬が赤くなってる気がする。…あ、目が合った。やっぱり私の方こそ、目が離せそうにない。
end.
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あず(プロフ) - あんこさん» あんこさん！コメントありがとうございます😌💖どちらも楽しんでいただけて良かったです！番外編ものんびりアップしていくのでお時間のある時に読んでやってください〜！✨️ (2月14日 23時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 完結おめでとうございます✨新山さん編、石井さん編どちらも見ました！すごい良かったです☺️特にラストと番外編の話ときめきました！🩷番外編楽しみにしてます✨ (2月14日 7時) (レス) @page12 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月6日 22時
