4.君の視線の先 ページ4
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石井side.
──…アイツの視線の先には、いつも新山がいた。
総務部に、新卒がくる。3年振りの新入社員だ。
「おお！ついに！」「やっとだね」朝礼を終えて暫くは、そんな声が色んな所から聞こえてきた。隣の席の先輩に「やっと一番下から卒業だな」と声を掛けられた。…そうか、俺後輩が出来るんやな。
「初めまして、AAといいます。精一杯頑張ります。よろしくお願いします！」
第一印象は、真っ直ぐな子やなあ、だった。だってめっちゃ背筋ピーン！てしてたから。後から聞いた話やけど、それはもうめちゃくちゃ緊張していたらしい。そりゃそうか、同期はおらんし周り全員年上やし。
「初めまして、石井です。一応一番歳も近いし、教育係らしいから何でも聞いてな」
「はい、よろしくお願いします！」
「おーええやん、めっちゃ元気やなA」
事前にAの教育係になる事を知らされていた俺は、Aに歩み寄って挨拶した。やっぱりまだ背筋がピーン！てしとる。おもろいやつかもしれん。一日目やし、まあ今日は簡単に社内の案内と一日の流れでも教えたらええかな。
「A」
「はい！」
「ここがAのデスクな。ちなみに俺はあっこ。何か困ったことがあったらすぐ言ってな」
「はい、分かりました！」
「元気いいのはええ事やけど、ちょっと声のボリューム落とそか」
別に怒ってるわけやないけど、周りの人らみんな笑っとるし。まぁ分かる、この新卒にしかない初々しさって何か微笑ましいし。Aは漸く自分の声のデカさに気付いたのか、ハッとして口を手で覆う。はい、よく出来ました。
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最初はただの、元気な後輩。頼んだ仕事はちゃんとするし、周りとも上手くコミュニケーション取れるし、上からの評判も良い。おかげで教育係である俺の評価も上がった。よっしゃ。でもたまにとんでもないミスをやらかす事もある。10部でいい資料を桁ミスって100部印刷したり、全フロアの天井の電気切って真っ暗にしてしまったり。やらかすミスがしょーもなくて、危なかっかしくて。そんなAからいつの間にか目が離せなくなっていた。
「Aー」
「はーい」
「営業部の新山から電話」
「新山くん？なんだろ」
……営業部の、新山。面識はほぼないけど、俺は一方的に新山のことを認識していた。Aの視線の先にいるのが、いつも新山やったから。
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あず(プロフ) - あんこさん» あんこさん！コメントありがとうございます😌💖どちらも楽しんでいただけて良かったです！番外編ものんびりアップしていくのでお時間のある時に読んでやってください〜！✨️ (2月14日 23時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 完結おめでとうございます✨新山さん編、石井さん編どちらも見ました！すごい良かったです☺️特にラストと番外編の話ときめきました！🩷番外編楽しみにしてます✨ (2月14日 7時) (レス) @page12 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月6日 22時
