3.見間違いかもしれない ページ3
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石井side.
「俺のこと、ずっと見てたん？」
「そうですよ、ずっと……」
そこまで言いかけて漸く、自分が何を言っているのか理解したらしい。目の前であたふたと慌てるAを見てたら、面白くて笑いが堪えられへんかった。
何やら必死に違う、そうじゃないと言い訳を並べ始めるAを見ながら馬鹿やなぁ、いつでも声掛けてええのに。と、思う。俺、お前のこと好きなんやで？まぁ仕事中は公私混同せえへんけど、まぁちょっとくらいは…なぁ？好きな子優先するのはしゃーないやん。それくらい全員やるやろ。
Aから受け取った書類を引き出しにいれて、ついでに帰り支度をする。 リュックを背負って振り向くと、同じように帰り支度を終えたAが社員証片手に俺を待ってくれていた。
「……施錠します」
「おう。ありがとうな」
社員の個人情報を預かる部署でもあるから、必ず最後に出る奴が施錠する事になっている。ついでなので、と言いながら背後で施錠するAを待つ。待つも何も翳すだけやから秒で終わるけど。
「A」
エレベーターのボタンを押す。さっきあんな事があったからか、俺の少し後ろに立って待っているAを呼ぶと何ですか、と返ってくる。拗ねてんの？何なん、どんな感情？分からん奴。だから面白くて、…だから目が離せない。
「俺これからうどん食いに行くけど」
「石井さんの奢りなら行きます」
「お前図々しい奴やな」
この会話、前にもやったような気がする。いつやっけ、…ま、いっか。それにうどんくらい大した金額やないし、そもそも俺が誘ったんやから最初からそのつもりだ。
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ちゃっかり昨晩は、いや昨晩もご馳走になってしまった。美味しかったなぁ…と考えながら始業前にさっとメールを確認していると、おはようございまーす。と言いながら片手に封筒を持った石井さんがやってきた。珍しいな、今日はいつもよりちょっと遅い。私の視線は、すっかりデスクトップから石井さんの方に向いていた。ばち、と目が合う。あ、合っちゃった。石井さんは遠回りして、近寄ってくる。
「……見すぎ、」
そう言って持っていた封筒でぽん、と頭を叩かれた。見上げた先の石井さんの頬が、ほんの少しだけ赤かった。…ような、気がする。
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あず(プロフ) - あんこさん» あんこさん！コメントありがとうございます😌💖どちらも楽しんでいただけて良かったです！番外編ものんびりアップしていくのでお時間のある時に読んでやってください〜！✨️ (2月14日 23時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 完結おめでとうございます✨新山さん編、石井さん編どちらも見ました！すごい良かったです☺️特にラストと番外編の話ときめきました！🩷番外編楽しみにしてます✨ (2月14日 7時) (レス) @page12 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月6日 22時
