8.その仕草と顔は反則です ページ8
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納品書を挟んだバインダーを片手にエレベーターから降りた。つい数分前までの出来事を思い出して頬が熱くなるのは、もはや仕方の無いことだと思う。デスクに戻る前にトイレ行って落ち着こう…と方向転換しようとしたら、壁に寄り掛かったままこちらをじとーーーっと見る石井さんと目が合った。
「なんちゅー顔してんねん」
「そ、そんな変な顔してますか」
「緩みきってるやん。………上手くいったんやな」
ぼそ、と最後に付け足された言葉を聞いて少しだけ心が痛む。どうしよう、もし石井さんがもう面倒見きれんわ、って言ったら。まだ教えてもらいたいこと、沢山ある。石井さんと一緒にやりたい仕事だって。
「そんな顔すんな。別に、俺とお前の関係はこれからも変わらんから」
「石井さん…」
不安が表情に出ていたのだろう、石井さんの腕がにゅっと伸びてきて頭をぽんぽん、いや、グシャグシャと撫でられた。ボサボサになったら困ります！と阻止すると、ふ、と石井さんが笑う。「今度辛気臭い面して仕事したら許さんからな」と思い切り釘を刺されたので、気を引き締めなければ。
ごめんね、石井さん。…ありがとう。
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仕事終わりに会いたい、と新山くんから連絡が来たのは定時になる少し前だった。今日は残業も無さそうだし、こうやって誘ってくれる事が嬉しくてつい頬が緩む。新山くんは、外回りからの直帰らしい。店で直接落ち合おう、とやり取りを終わらせ残りの仕事を秒で片付けた。
「──……A！」
A、って新山くんに呼ばれてどぎまぎしてしまう。社会人になるとなかなか下の名前で呼ばれることもないし、何より今日から付き合い始めた人だし、……シンプルに嬉しい。照れもあるけど。
「ごめん、待った？」
「ううん、さっき着いた所だから」
お疲れ様、と走って来た新山くんに声を掛ける。季節外れの暖かさは夕方以降も続いていて、新山くんはシャツの襟元にグッと指を差し込んでネクタイを緩める。……か、っこ良すぎる。ぼーっと見つめてたら、にや、と悪い顔をした新山くんと目が合った。
「……なに、見とれた？」
「っ、あーお腹空いた！新山くんもペコペコだよね？入ろう！すみませーん！二名です！！」
その聞き方ずるいしその時の顔もずるい。後を着いてくる新山くんがケラケラ笑ってるけどスルーした。
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9.あまりにもタチが悪すぎる→←7.ただの同期は終わりにしよう
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あず(プロフ) - やぴ様 コメントありがとうございます！✨️きゅんきゅんしていただけて安心しました。一気読み嬉しいです！労いの言葉まで…ありがとうございます。番外編ものんびり更新していきますのでお時間のある時にまた読みに来てください！ (2月11日 9時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
やぴ(プロフ) - とても良い作品を書いてくださりありがとうございます✨最近また冷えてきましたので体調等にはお気をつけください。長々と申し訳ございません、番外編も楽しみにしています！♡ (2月11日 1時) (レス) id: f2f4556022 (このIDを非表示/違反報告)
やぴ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。sykのお二人がとても大好きなのでこちらの作品一気読みさせて頂いたのですが、どちらのルートもとてもきゅんきゅんして最高でした…♡本編完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした！→ (2月11日 1時) (レス) id: f2f4556022 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - うゆーな様 コメントありがとうございます！大変失礼しました…ご指摘頂きありがとうございます。本当に申し訳ないです。。更新頑張ります…！ (2月7日 16時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
＃うゆーな. - あと、本当にこの小説好きで！更新楽しみにしてます！！ (2月7日 14時) (レス) id: eb74aaaf07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月6日 22時
