6.左胸の痛みで現実を知る ページ6
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休日の夜、つけっぱなしにしていたテレビに視線を向けるとSNSで話題のドラマが放送されていた。ヒロインが涙を流しながら、相手役の人に想いを伝えている。こんな風に素直になれたらどれだけ良いだろう。
「ただの同期」って新山くんに言ったけど、ただの同期だったらキスなんかしない。どうかしてた訳でもない。したいと思ったから、新山くんとキスした。じゃあどうしてしたいと思ったかって、そんなの好きだからに決まってる。……画面の向こう側にいるヒロインみたいに、なりふり構わず「好き」って言えたらいいのに。
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「A」
棚の上段に伸ばしていた手がぴたりと止まる。前に石井さんと二人で在庫数を確認していた電球を初めとした様々な備品が届き、それを整理していた所だった。聞き間違えるはず、ない。…新山くんだ。チラ、と横目で見ると近寄ってくる新山くんが見えた。思わず身構えてしまう。
「…A、」
「………」
「なんで無視すんの」
「し、してない」
消え入りそうな声で嘘ついた。LINEも無視したし、さっきも呼ばれて無視したし、何ならここ最近新山くんのこと避けてたし。意識をそらすように納品書に目を落とす。でも、ただの数字の羅列にしか見えないくらい今の私は慌てていた。どう、しよう。正直、ここから逃げ出したい。でも、出入口は一ヶ所しかなくてそこを新山くんに塞がれていてどうする事も出来なかった。
数字の羅列を意味もなく見ていたら、コツ、と足音がした。新山くんとの距離が縮まっていく。──…次の瞬間、私は新山くんに抱き締められていた。
「っ新山く、」
「……」
咄嗟に彼の名前が口から漏れる。するともっと両腕に力が入った気がした。新山くんは黙ったまま、何も言わない。……しん、と静寂に包まれる。なのに心臓の音だけが馬鹿みたいに速くて、あぁ嫌だな、新山くんにも絶対伝わってる。「ただの同期」って言い方したくせに、体はこんなにも新山くんのことが好きだって言ってる。
「……俺、もうただの同期はやめたい」
耳元で聞こえた新山くんの声があまりにも切なくて、左胸の奥がぎゅっと痛む。「ただの同期」をやめてしまったら、私たちは──…
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7.ただの同期は終わりにしよう→←5.全部ちゃんとして君に話すよ
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あず(プロフ) - やぴ様 コメントありがとうございます！✨️きゅんきゅんしていただけて安心しました。一気読み嬉しいです！労いの言葉まで…ありがとうございます。番外編ものんびり更新していきますのでお時間のある時にまた読みに来てください！ (2月11日 9時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
やぴ(プロフ) - とても良い作品を書いてくださりありがとうございます✨最近また冷えてきましたので体調等にはお気をつけください。長々と申し訳ございません、番外編も楽しみにしています！♡ (2月11日 1時) (レス) id: f2f4556022 (このIDを非表示/違反報告)
やぴ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。sykのお二人がとても大好きなのでこちらの作品一気読みさせて頂いたのですが、どちらのルートもとてもきゅんきゅんして最高でした…♡本編完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした！→ (2月11日 1時) (レス) id: f2f4556022 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - うゆーな様 コメントありがとうございます！大変失礼しました…ご指摘頂きありがとうございます。本当に申し訳ないです。。更新頑張ります…！ (2月7日 16時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
＃うゆーな. - あと、本当にこの小説好きで！更新楽しみにしてます！！ (2月7日 14時) (レス) id: eb74aaaf07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月6日 22時
