2.甘い熱を知ったから ページ2
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ここ最近、何なら昨日も色んなことがあったけど、結局新山くんと一緒に居られることが私はただ単純に嬉しかった。美味い！とお寿司を頬張るところも、これが美味かったと教えてくれるところも、注文ついでに私の飲み物の追加を気遣ってくれるところも、仕事はやりがいがあって好きやけど、と少しだけ愚痴を言うところも、……やっぱり、新山くんのことが好き。いつから、とかはっきり覚えてないけど…多分初めて会ったあの瞬間からだ。
会計を済ませた新山くんにご馳走様でした、とお礼を言う。私も沢山食べたし楽しかったし半分出すよ、と言ったけどこれはあの時のお礼やから、と頑なに割り勘を拒否された。
「じゃあ次は私がご馳走する」
「次も俺と飯行ってくれんの？」
そう言いながら、新山くんがふっと笑った。小首を傾げて、どこか色気さえ感じられるそんな眼差し。不意打ちだ。そんな聞き方、ずるい。ついでにその表情も声も全部ずるい。視線をさ迷わせて、結局また新山くんに戻ってくる。
「なに」
「…なんでもない」
「嘘やん、さっきからめっちゃ俺の事見てるし」
一本いい？そう言って煙草の箱を見せられた。どうぞ、と手短に返すとふわりと煙草の匂いがする。…新山くんの匂いだ。ふと、あの日のキスが蘇る。煙草はあんまり好きじゃないけど、新山くんを感じられるこの香りは別に嫌いじゃなかった。
「……見てるよ、新山くんのこと。ずっと見てた、」
ぽつり。新山くんに、聞こえるか聞こえないかくらいの声量で呟く。はら、煙草の先端から落ちた灰を視界の隅で捉えながら三度目のキスをした。この間よりずっと苦い筈なのに、それが寧ろ心地良かった。
「…今日もあかん？」
熱っぽく囁く新山くんの声音。この間の、キスを拒んだ時の事を言っているのだ。それが分からないほど鈍感じゃない。頭を左右に振って意思表示するのに、新山くんは空いた左手で頬に触れるだけ。ほんの少し前までの私だったら、新山くんに触れられてるだけできっと十分幸せだった。でも、その先の甘い熱を知ってしまった。
「もう一回して、…新山くん」
ふ、と新山くんが笑う。ずるい人。…本当にずるい人。でもそんなずるい人を好きになったのは、他でもない私だ。
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あず(プロフ) - やぴ様 コメントありがとうございます！✨️きゅんきゅんしていただけて安心しました。一気読み嬉しいです！労いの言葉まで…ありがとうございます。番外編ものんびり更新していきますのでお時間のある時にまた読みに来てください！ (2月11日 9時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
やぴ(プロフ) - とても良い作品を書いてくださりありがとうございます✨最近また冷えてきましたので体調等にはお気をつけください。長々と申し訳ございません、番外編も楽しみにしています！♡ (2月11日 1時) (レス) id: f2f4556022 (このIDを非表示/違反報告)
やぴ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。sykのお二人がとても大好きなのでこちらの作品一気読みさせて頂いたのですが、どちらのルートもとてもきゅんきゅんして最高でした…♡本編完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした！→ (2月11日 1時) (レス) id: f2f4556022 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - うゆーな様 コメントありがとうございます！大変失礼しました…ご指摘頂きありがとうございます。本当に申し訳ないです。。更新頑張ります…！ (2月7日 16時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
＃うゆーな. - あと、本当にこの小説好きで！更新楽しみにしてます！！ (2月7日 14時) (レス) id: eb74aaaf07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月6日 22時
