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新山side.
くそ、なんで俺がこんな変な気持ちにならなあかんねん。さっきまでめっちゃ良い気分やったのに。商談も上手くいって上司に褒められて飯奢ってもらって、明日休みやし帰ってからまた飲もうって、さっきまでめちゃくちゃ良い気分やったのに。
｢A｣
｢新山くん…？｣
どうもすっきりしない気持ちを抱えたまま、未だ店先に突っ立っていたAに声をかけた。まさか俺に声を掛けられるとは思ってなかったのか、Aは驚いた顔をしていた。Aは、多分知らない。俺がさっき、キスしてる所を見ていたなんて。
｢お疲れ、奇遇やな｣
｢…うん、お疲れ様。商談上手くいった？｣
平静を装いながら言葉をかけた。するとAは今日のことを尋ねてくる。だから俺は、社長に手土産を褒めて貰えたことと商談が上手くいったことを伝えた。するとAは、パッと表情を明るくして笑って見せた。思わず、どきりとした。…何やねん、何でこんな胸がざわつくねん、
｢良かった！うちの会社、取引先の手土産リストっていうのがあって｣
｢そんなのあるん？｣
｢うん、石井さんに教えて貰って………｣
あいつの名前を口にした途端、Aははた、と黙り込んでしまった。俺も俺で、石井の名前を耳にした途端また胸のあたりがざわざわしてきてどうも居心地が悪い。ふと、黙りこくったAを見ると首元に見慣れないマフラーがあった。朝はなかったよな、こんなの。しかも男物や、これ。まさかアイツの……
｢……それ、誰の｣
｢え、｣
｢そんなん、朝してやかったやん｣
自分でもビックリするくらいの、低い声が出た。当然聞いたことがないAは、びく、と肩を震わせる。寒いからじゃない。俺のこの声にビビったからだ。男物の、…アイツのマフラーに手を伸ばす。そんな俺を見てAが｢にいやまくん、｣と小さな声を絞り出した。
｢そのマフラー、似合ってない｣
吐き捨てるようにそう言うと、Aは俯いてしまった。我ながら、なんて子供っぽい台詞だろう。似合うも何も、別にAがアイツと付き合っててアイツのマフラーをしてても、俺には何も関係ない。ただの同期の俺には──…
｢…新山くんのマフラーだって、似合ってないよ｣
俯いたままのAはそう言うと、俺の方を見もせずに踵を返す。俺はと言うと、今の今まですっかり忘れていた彼女から貰ったマフラーの事を指摘されるとは思わずその場に呆然と立ち尽くした。
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あんこ(プロフ) - あずさん» お返事ありがとうございます✨ええ！そんなふうに言っていただいて嬉しいです😭しかも何回も読んでくださってるとは…！😳モチベーションになります！ありがとうございます！執筆頑張ってください！☺️ (2月7日 10時) (
レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あんこさん» あんこ様 コメントありがとうございます！お名前を見て飛び上がりました。めくるめく日々もセピアに染まるも大好きです！！😭💙何回も読んでます。続きも頑張ります。ありがとうございます！！😭 (2月7日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 初めまして。さや香大好きで夢小説増えないかなぁと思っていたところにあずさんの作品が目に入り一気読みしてしまいました！🩵🥳続きが楽しみです！✨ (2月7日 1時) (レス) @page31 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - もちゃん。さん» もちゃん。様 コメントありがとうございます！ありきたりな設定ではありますが楽しんでいただけて嬉しいです。最後まで楽しんでいただけるように頑張ります…！ (2月6日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃん。 - 初めまして。設定も文章も全てが素敵です…！！あまりコメントしないのですが、この作品が好きすぎてついコメントしてしまいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2月6日 0時) (レス) id: 4493b39302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月4日 12時
