7.悪いのは無防備な君の方 ページ7
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｢ご馳走様でした！！｣
｢うるっさいねん、ボリューム落とせ！｣
何だかんだ奢ってくれた石井さんは、店先で元気よくお礼を言う私に容赦ないツッコミをいれた。石井さんの声も大きいです。言わんけど。
｢まぁ、うん、｣
｢？｣
珍しく歯切れの悪い様子で、石井さんは次の言葉を探しているようだった。後頭部をかきながら、次に紡ぐ言葉を探している。口を挟まずに待っていると、チラ、と石井さんがこっちを向いた。
｢…あんま思い詰めんな。何かあったらまぁ、今日みたいに話くらい聞くから｣
正直、とても嬉しかった。ぶっきらぼうな言い方だったけど、それが何だか石井さんっぽくて。頬を弛めながらゴチです、と返すと何でやねん、とコテコテのツッコミ。新山くんのことでうだうだ悩むのなんか、馬鹿みたいだって思えた。こう思えるのも全部、目の前にいる石井さんのおかげだ。
｢今日は本当にありがとうございました｣
｢えぇよ、別に。俺お前の先輩やし｣
｢頼りになります｣
これは紛れもない本心。石井さんが私の先輩で、上司で、本当に良かった。そう思っていると、一層強い風がびゅう、と吹いた。剥き出しの頬が痛い。それから首も。やっぱりマフラー巻いてきたら良かった。でも似合わないし…と、一人でグチグチ考えていると、ずかずかと石井さんが歩み寄ってくる。
｢何でマフラーしてないねん、あほ｣
｢へ、｣
文句を言いながらぐるぐる巻きにされた首元が、途端に温かくなった。ふわ、と嗅ぎ慣れない香りがする。視線を少し上にやると、ばちりと大きな瞳と目が合った。
｢ちゃんと返せよ、それ｣
｢……….、…｣
｢…A？｣
石井さんの瞳はやっぱり大きいとか、石井さんってこんな香りがするんだとか、そんな事考えて黙り込んでいたら心配させてしまったらしい。名前を呼ばれてハッとすると、今度は顔の近さに驚いてしまった。覗き込んでくる石井さんの、大きな瞳。その瞳に映っているのは、他でもない私で、
｢…無防備過ぎるって｣
｢石井さ、｣
｢悪いのはAやから、｣
石井さん、とまた名前を呼ぼうとした。なのに、その言葉は飲み込むしか無かった。数秒遅れて、ようやく状況を理解した。石井さんに、キスされてる、って。
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あんこ(プロフ) - あずさん» お返事ありがとうございます✨ええ！そんなふうに言っていただいて嬉しいです😭しかも何回も読んでくださってるとは…！😳モチベーションになります！ありがとうございます！執筆頑張ってください！☺️ (2月7日 10時) (
レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あんこさん» あんこ様 コメントありがとうございます！お名前を見て飛び上がりました。めくるめく日々もセピアに染まるも大好きです！！😭💙何回も読んでます。続きも頑張ります。ありがとうございます！！😭 (2月7日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 初めまして。さや香大好きで夢小説増えないかなぁと思っていたところにあずさんの作品が目に入り一気読みしてしまいました！🩵🥳続きが楽しみです！✨ (2月7日 1時) (レス) @page31 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - もちゃん。さん» もちゃん。様 コメントありがとうございます！ありきたりな設定ではありますが楽しんでいただけて嬉しいです。最後まで楽しんでいただけるように頑張ります…！ (2月6日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃん。 - 初めまして。設定も文章も全てが素敵です…！！あまりコメントしないのですが、この作品が好きすぎてついコメントしてしまいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2月6日 0時) (レス) id: 4493b39302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月4日 12時
