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裏返しにした申請書を出して、会議室を手配して。社員全員が閲覧出来るスケジュールに登録して、提出された申請書をファイリングする。…新山くんの名前は、見て見ぬふりをした。
今日のタスクを終えて、ふと時計に目を落とす。定時まであと2分。気持ちの浮き沈みはあったけど、今日はこの後石井さんとご飯だ。本当にあの人は、後輩の面倒見が良い。
｢A｣
｢あ、石井さん｣
｢終わった？行ける？｣
｢はい。ゴチになります｣
ご馳走してもらう気満々ででそう答えると、ふは、と笑った石井さん。｢俺、奢るなんて言うてないけど｣そう言いながら、ぽん、と頭を小突かれた。早く行くで、と歩みを促すくらいの優しさで。
｢奢ってくれないんですか？｣
｢…A、お前図々しいって言われへん？｣
｢初めて言われました｣
｢嘘やろ｣
そんな軽口を交えながら、駅前の居酒屋に入っていく。店内は、私たちと同じように仕事を終えた人達で溢れかえっていた。奥の席が空いていたようで、案内されるまま席に向かう。コートを脱ぎながら｢とりあえず生ふたつ｣と、石井さんがそう告げた。
｢おつかれ｣
｢お疲れ様ですー｣
注文してすぐやって来たジョッキを受け取り、寄せられたそれに自分のものをがち、と当てる。喉を鳴らして飲む石井さんを見ながら、私も半分ほど一気に飲んでしまった。
｢で、何があったん｣
｢本題に入るの早くないですか｣
｢こういうのは早い方がえぇねん｣
通りかかった店員さんを捕まえて追加注文を終えた石井さんは、さぁはよ吐けや。と言わんばかりにジョッキを置いた。テーブルの端に両腕を置いて、少し身を乗り出しながら私が話し始めるのを待っている。
｢…石井さんて、目大きいですよね｣
｢あほ、話そらすな｣
あーあ、駄目だった。お待たせしましたーと、流れるように置いていかれた枝豆に手を伸ばす。ひとつ、ふたつ、みっつ、…よっつ。5つ目に手を伸ばすと、枝豆が入った皿を石井さん側に寄せられてしまった。おまけに凄いガン飛ばされてる気がする。目が大きいせいで、あんまり怖くないけど。
｢……石井さんって、好きな人いますか｣
ぽつ、と呟くと石井さんの大きな瞳がさらに大きくなったような、そんな気がした。
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あんこ(プロフ) - あずさん» お返事ありがとうございます✨ええ！そんなふうに言っていただいて嬉しいです😭しかも何回も読んでくださってるとは…！😳モチベーションになります！ありがとうございます！執筆頑張ってください！☺️ (2月7日 10時) (
レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あんこさん» あんこ様 コメントありがとうございます！お名前を見て飛び上がりました。めくるめく日々もセピアに染まるも大好きです！！😭💙何回も読んでます。続きも頑張ります。ありがとうございます！！😭 (2月7日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 初めまして。さや香大好きで夢小説増えないかなぁと思っていたところにあずさんの作品が目に入り一気読みしてしまいました！🩵🥳続きが楽しみです！✨ (2月7日 1時) (レス) @page31 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - もちゃん。さん» もちゃん。様 コメントありがとうございます！ありきたりな設定ではありますが楽しんでいただけて嬉しいです。最後まで楽しんでいただけるように頑張ります…！ (2月6日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃん。 - 初めまして。設定も文章も全てが素敵です…！！あまりコメントしないのですが、この作品が好きすぎてついコメントしてしまいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2月6日 0時) (レス) id: 4493b39302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月4日 12時
