27.二人の出会い ページ27
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新山side.
Aと初めて会った日のことを、俺は今でも覚えている。最終選考で東京本社に呼ばれた俺は、人の多さにうんざりしながら歩いていた。えーっと、どっち行けばいいんやっけ。スマホで地図アプリを開き、確認しながら辺りを見渡す。…あぁ、あれや。でかいビルを見つけて歩き出そうとすると、ドン、と人にぶつかってしまった。
「…っと、」
「っ、すみません、」
そのぶつかってきた相手こそ、Aやった。Aは慌てて俺に頭を下げるけど、その拍子に手に持っていた書類が派手に落ちてしまう。今思えば多分、最終選考を前に緊張していたんだろう。しゃがみこんで拾おうとするAを手伝おうと、俺もその場にしゃがみこむ。…あれ、このパンフって……見覚えのあるそれを手に立ち上がった俺に続いて、Aも立ち上がった。
「そこ受けてるん？」
「え？あ、はい」
「俺も。最終選考緊張するなぁ」
そう言って笑うと、Aは状況を理解出来たらしい。ありがとう、と言いながらパンフを受け取り俺たちは肩を並べて歩き出した。どうせ同じ場所に向かうんやし、これも何かの縁のような気がしたからだ。
「新山くんって関西の人？」
「そ。大阪から来てん」
「関西弁格好良いね」
「そうかぁ？全然そんな事ないって」
最終選考を前に、何とも緊張感のない会話だった。けど、俺はあの時Aと知り合えたからこそ適度に緊張も解れて面接にも挑むことが出来たと思う。でかい本社ビルを見上げながら、あの子どうなったかな。受かったら同期やな。そんなことを思いながら、俺は帰路に着いた。
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無事に内定を貰った俺は、内定式に出席するため再び東京の本社ビルに来ていた。どんだけ内定者がいるんだろう。あの子は…Aさん、いるかな。内定貰ったからって必ずしもそこを選ぶわけやないけど。
「……新山くん？」
さてそろそろ、と事前に案内されていた会場へ向かおうとすると背後から声を掛けられた。あれ、この声……振り返ると、あの日肩を並べて最終選考に向かったAさんがいた。やっぱり新山くんだ。そう言いながら俺の隣に来る彼女を見て、思わず口角が上がる。…やったやん、同期やん俺ら。
「久しぶり、元気やった？」
「うん、元気元気。新山くんこそ元気だった？」
「めっちゃ元気やったで」
他愛のない会話が、何だか無性に楽しかったことを覚えてる。
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あんこ(プロフ) - あずさん» お返事ありがとうございます✨ええ！そんなふうに言っていただいて嬉しいです😭しかも何回も読んでくださってるとは…！😳モチベーションになります！ありがとうございます！執筆頑張ってください！☺️ (2月7日 10時) (
レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あんこさん» あんこ様 コメントありがとうございます！お名前を見て飛び上がりました。めくるめく日々もセピアに染まるも大好きです！！😭💙何回も読んでます。続きも頑張ります。ありがとうございます！！😭 (2月7日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 初めまして。さや香大好きで夢小説増えないかなぁと思っていたところにあずさんの作品が目に入り一気読みしてしまいました！🩵🥳続きが楽しみです！✨ (2月7日 1時) (レス) @page31 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - もちゃん。さん» もちゃん。様 コメントありがとうございます！ありきたりな設定ではありますが楽しんでいただけて嬉しいです。最後まで楽しんでいただけるように頑張ります…！ (2月6日 7時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃん。 - 初めまして。設定も文章も全てが素敵です…！！あまりコメントしないのですが、この作品が好きすぎてついコメントしてしまいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2月6日 0時) (レス) id: 4493b39302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月4日 12時
