言い訳を並べてキスをした ページ28
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…嫌な予感というものは、
こういう時にぴたりと的中してしまうもので。
｢……A｣
｢！！！｣
｢すっげぇウズウズしてるけどどうしたの｣
分かってる、
分かってるんだ。
Aがウズウズしている理由も、
右手に持った黒いゴムが何を意味しているのかも、
まさに今、ジリジリと壁際まで追い込まれているのも、
｢ツインテールが見た、｣
｢いとは言わせない｣
そう言い切る前に。
若干、いやかなり食い気味に言葉を被せるけど
ジリジリと迫るAに、少しだけ腰が引けてしまった。
その隙を突いて、右手が伸びてくる。少し遅れて、左手も。
あぁもういいや、うん、いいよ。どうぞ、Aの好きにして
くださいな。抵抗を諦めて、結びやすいように頭を差し出すと
ふんふん、と頭上から鼻歌が聞こえてきた。
｢…ったく｣
｢はい動かない｣
｢いたたたたた｣
ちょ、引っ張るなって。痛い。
Aはごめんごめん、と笑いながら軽く謝り、
あっという間にツインテール、いや、これツインテールか？
ツノみたいな、まぁいいか、ツインテールを完成させると
ぱっと体を離して、じい、と食い入るように俺の頭を見た。
｢や··········っっっぱりかわいい｣
｢それあんまり嬉しくない｣
｢写真撮っていい？｣
｢人の話聞きなさいよ｣
そう言い終わるより先に、カシャ、とシャッター音がした。
…まあ、いいけどさ。いいけど。これがAだし。
と、半ば諦めモードの俺は、Aの気が済むまで
写真を撮らせるという、出血大サービス。大盤振る舞いだ。
｢フォルダが潤ったぁ｣
｢何のフォルダ？｣
｢バシフォルダ｣
｢何それ｣
A曰く、俺の様々な写真が保存されているらしい。
見たいような、見たくないような。いや、圧倒的に
見たくないけど、本人としてはどんな写真をいつ撮られて
いるかくらい、ちょっとは知っておきたい。でもAは、
見ない方がいいよ、とあっけらかんと言い放った。
｢──A｣
｢ん？なーに｣
｢撮影料、｣
後頭部に、手を添える。
ぐっと力を入れて、Aが何か言うより先に
撮影料、と称したキスをした。好き勝手されて、
俺ばっかり翻弄されっぱなしなのも、なんか悔しいから。
(何て最もらしい言い訳並べてるけど、本当は君に触れたかっただけだ)
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N(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいていました。そんなことがあったんですけね、、悲しいですが。。ありがとうございました！読めて良かったです！ (2020年3月11日 4時) (
レス) id: 80d05f879c (このIDを非表示/違反報告)
あいおば - そうなんですか…心中お察し致します…。いつも楽しませて頂いておりました。どうもありがとうございました。今までのお礼を込めて。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
kurumikan212(プロフ) - お疲れ様でした！いつも楽しく読ませて頂きました。こらからは読者としてよろしくお願いします。 (2020年3月10日 12時) (レス) id: ff3c4dbaf4 (このIDを非表示/違反報告)
N4(プロフ) - お疲れ様でした。azuさんの書かれる作品はどれも素敵で、何度も何度も読み返したくなるほど大好きです。もう読めなくなってしまうのは残念ですが…。どうかお元気でお過ごし下さい！幸せをありがとうございました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: fdeaa7cc36 (このIDを非表示/違反報告)
Fumi(プロフ) - お疲れ様でした。素敵な作品を読ませて頂き本当にありがとうございました。これからはゆっくりなさってください。 (2020年3月10日 8時) (レス) id: a819d28f59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：azu | 作成日時：2020年1月2日 1時
