熱を離さないでずっと ページ18
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君となら、沈黙すら心地良くて
気の利いた会話なんかなくたって
ただ隣にAがいる、という事実だけで
それだけで、十分幸せだ。と、最近しみじみ思う。
｢寒い、｣
ぽつりと、Aが呟いた。
久しぶりに一緒に飯を食ったあと、
駅までの帰り道、どんな話をしたかなんて
何も覚えてない。それくらい、多分会話らしい
会話なんてしてなくて、でもそれが俺達らしくて。
肩を並べて、遠いとも近いとも言えない
この微妙な距離を、一緒に歩く時間が好きだった。
｢A｣
｢ん？｣
なあに、と、
のんびりしたAの声が心地良い。
ぐるぐる巻いたマフラー。かわいい。
収まりきらない髪が、もふっとしてる。
それもまた、かわいい、
｢····つめた、｣
｢Aの手も冷たいよ｣
｢そうだね｣
ふ、とAが笑った。
それにつられて、俺も笑う。
手を繋いで歩いてる。ただ、それだけだ。
それだけ、
それだけなのに、
言葉にするならそうだ、
好き、が、溢れて止まらない。
·····とか、そんなことを思うようになるなんて
こんな自分を、一体誰が想像しただろう。
｢遼大くん、｣
｢どした｣
｢帰りたくない、って言ったら···どうする？｣
｢奇遇だな、俺も思ってた｣
ぎゅ、と握った手に力が篭もる。
それに応えるように、Aもぎゅっと握り返してきた。
互いの冷たかった手は、まるでひとつになったみたいに
あったかくて、もうこの手を離したくない、と思ったんだ。
｢俺んちに帰ろうか｣
(繋いだ手を離さないで、出来るならずっとこのまま)
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N(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいていました。そんなことがあったんですけね、、悲しいですが。。ありがとうございました！読めて良かったです！ (2020年3月11日 4時) (
レス) id: 80d05f879c (このIDを非表示/違反報告)
あいおば - そうなんですか…心中お察し致します…。いつも楽しませて頂いておりました。どうもありがとうございました。今までのお礼を込めて。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
kurumikan212(プロフ) - お疲れ様でした！いつも楽しく読ませて頂きました。こらからは読者としてよろしくお願いします。 (2020年3月10日 12時) (レス) id: ff3c4dbaf4 (このIDを非表示/違反報告)
N4(プロフ) - お疲れ様でした。azuさんの書かれる作品はどれも素敵で、何度も何度も読み返したくなるほど大好きです。もう読めなくなってしまうのは残念ですが…。どうかお元気でお過ごし下さい！幸せをありがとうございました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: fdeaa7cc36 (このIDを非表示/違反報告)
Fumi(プロフ) - お疲れ様でした。素敵な作品を読ませて頂き本当にありがとうございました。これからはゆっくりなさってください。 (2020年3月10日 8時) (レス) id: a819d28f59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：azu | 作成日時：2020年1月2日 1時
