綺麗でいたいと思うのは。 ページ12
.
｢·····｣
｢·····｣
｢·····｣
｢·····あのー、遼大さん？｣
｢ん？｣
Aがお肌を整える様子を
鏡越しにじーっと見ていたら、
鏡越しにばちっと目が合った。
Aは、気まずそうな顔をしている。
どした？って首を傾げたら、そんなに見られると
やりづらいんだけど。と言う。
｢あぁ、ごめん｣
｢どうかした？｣
｢いや、女性って大変なんだなと思ってさ｣
最近仕事で何回か女装をして、
その度にいつもしないメイクとか
カツラ、いや、ウィッグとかつけたりして、
あぁあとヒール。あれめちゃくちゃしんどかった。
そんな話をすると、あぁ、と、Aは頷いて
ポーチからこれから使うのだろう化粧品を出しつつ
くるりと振り向く。
｢可愛かったね、遼大の女装｣
｢あんま嬉しくないけど｣
｢何で？褒め言葉だよ｣
平手ちゃんも良かったけど
やっぱり7Gの方かなぁ。と、Aは楽しそうだ。
てかよく知ってるな。いや、前からよく俺の仕事
チェックしてくれてるなぁとは思ってたけど。
｢メイクってさ、大変じゃない？｣
｢そりゃあ大変だよ。面倒だなって思う時もあるし｣
｢じゃあ何ですんの？｣
｢何で、って·····｣
あぁもうそういうとこだよ。って、
盛大な溜息付きでそう言われると
どういうとこだよ。と、言い返したくなる。
何で？俺、なんか変な事言った？
｢普通、好きな人の前では可愛くいたいって思うでしょ｣
だからするの。って、
そう言い終えたAはまた、鏡とにらめっこだ。
｢·····｣
｢·····｣
｢··········あぁ、なるほど｣
｢いや理解するの遅っ｣
そうか、なるほどな。
好きな人、つまり俺の前で
可愛くいたいから化粧するんだな。
その気持ちは嬉しいし、可愛いな、
健気だな、って思ったけど、
｢けどそのままでも可愛いじゃん｣
｢へ、｣
｢A｣
｢〜っ｣
··········あれ、また俺何か変なこと言った？
(君の顔が真っ赤になってしまったのだけど、)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 337人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
N(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいていました。そんなことがあったんですけね、、悲しいですが。。ありがとうございました！読めて良かったです！ (2020年3月11日 4時) (
レス) id: 80d05f879c (このIDを非表示/違反報告)
あいおば - そうなんですか…心中お察し致します…。いつも楽しませて頂いておりました。どうもありがとうございました。今までのお礼を込めて。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
kurumikan212(プロフ) - お疲れ様でした！いつも楽しく読ませて頂きました。こらからは読者としてよろしくお願いします。 (2020年3月10日 12時) (レス) id: ff3c4dbaf4 (このIDを非表示/違反報告)
N4(プロフ) - お疲れ様でした。azuさんの書かれる作品はどれも素敵で、何度も何度も読み返したくなるほど大好きです。もう読めなくなってしまうのは残念ですが…。どうかお元気でお過ごし下さい！幸せをありがとうございました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: fdeaa7cc36 (このIDを非表示/違反報告)
Fumi(プロフ) - お疲れ様でした。素敵な作品を読ませて頂き本当にありがとうございました。これからはゆっくりなさってください。 (2020年3月10日 8時) (レス) id: a819d28f59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：azu | 作成日時：2020年1月2日 1時
