誰にも言えない秘密。2 (ページ7)

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ノンストップ、ラブ。＿isi ページ7

×後輩

第一印象は、忙しない奴。やったと思う。金髪とまではいかないけど明るい髪色で、リュックになんか色んなもんぶら下げてて、服の色も色とりどりで、かと思えば急に髪色黒になるし服の系統もガラッと変わるし。気付いたら俺は、Aのことを知らず知らずの内に目で追いかけていたんだと思う。それも、割と最初の頃から。

「石井さん！おはようございます」
「おはよ」

楽屋に入ってくるなり、隅っこの方でスマホを弄っていた俺に挨拶してきた。これは最初からずっと変わってない。律儀というか真面目というかマメなやつというか。

「最近ゲーム買ったんですよ～」
「マジで。何買ったん」

これです、とスマホを見せてもらうと俺も数日前に買ったやつだった。それを伝えると、Aはパッと顔を明るくさせて(いつも明るいけど)一緒にやりましょう！と誘ってくる。…まるで犬みたいだ。それも、とびきり人懐こいやつ。

「えぇよ。持ってくるわ」
「絶対ですよ？約束！」

そう言ってずいっと目の前に差し出されたのは、Aの小指だった。指切りげんまん、てこと？いやいや恥ずいって。大人になってするもんやないやろ。そう思って出し渋っている俺とは対照的に、Aは目をキラキラと輝かせたまま待っている。あかんわ、これするまで待ってるぞ。

「…ほら、」

自分から小指を絡めるのは流石に恥ずすぎたから、小指を立てて差し出すとAは嬉しそうに笑ってするりと小指を絡めた。上下に揺らしながら、子供の頃よく聞いたフレーズを歌い切る。めっちゃ嬉しそうな顔して、ほんっとおもろいな。おもろいから、思わず笑みが零れるのも仕方ない。

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その次も、またその次も顔を合わせるなり俺のとこに近寄って来るAを俺はいつの日からか待ちわびるようになっていた。Aの声がしたら、あぁ今日は一緒なんや。しなかったら、今日はいないんか。とまぁ、こんな具合に。

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