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ただ、いい加減返信しないと流石にアレか。多分、最初に連絡が来てから三時間以上は経っている気がする。ゲームの手を止めてスマホを手に取ると、………げ、マジか。二十件以上LINEきてるやん。アイツ暇人過ぎるやろ、と心の中で悪態を吐きながらも、自分の口角が上がっていることを自覚していた。
とりあえずトーク画面を開く。…何て返すかな。そもそも何でAはLINEしてきたんだっけ。指を滑らせ遡ろうとすると、ぽん、と通知音が鳴った。
既読ついた!石井さーーん
石井さん見てますか!!!!
……脳内再生余裕、ってやつかこれが。Aの声が聞こえた気がしておかしくて笑ってしまった。あーあ、なんかAの声聞きたくなってきたな。そう思った時には、スマホを耳に押し当てていた。
「…あ、もしもしA？」
『えっ石井さんから電話なんて珍しい！どうしたんですかびっくりした！！』
「うるっさ！何でそんな声デカいねん」
『嬉しいからですよ…！！』
石井さんから電話が来たから！と、噛み締めるようにAが言う。たかが電話一本で大袈裟な、とは思うけどAらしいといえばらしいか。
「飯行くか」
『えっ』
「誘ったのそっちやん」
『そうですけど、』
「嫌なん？」
『嫌じゃないです行きたいです！』
じゃ、決まり。時間とかまたLINEするわと言って切ろうとしたら、ちょっと待ってと引き止められた。スマホを耳に当てたまま、ん？と聞き返す。なのにAは、何も言おうとしない。
「…A？」
『…っ、』
「何もないなら切るで」
そう言ってから数秒後、ようやくスマホ越しにAの声がした。
『石井さん、…好きです』
「……告るタイミング今なん？」
『だって今言いたくなったんだもん……』
なんともまぁ、聞いた事のないいじらしい声だった。スマホの向こう側でどんな顔してるのか、容易に想像つく。ふ、と思わず笑みが溢れると笑わないでください、と消え入りそうな声が聞こえてきた。鬼LINEするくせに、何でこういう時はしおらしくなんねん。
「一時間後にいつものとこな」
『はぁい…』
「今日は帰さんから」
覚悟しとけや、と続けて一方的に通話を切る。その数秒後、LINEの通知音がまたうるさく鳴り出した。予想通りすぎるやろ、ほんまに。
end.
某番組で既読もつけずに一旦寝かせる、という話を聞いて勢いで書いたやつをそのまま下書きにいれて忘れてました…
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作者名：あず | 作成日時：2024年3月16日 10時
